あなたの「団体」は本当に偉い!か。

 建設業者などが加入する各種組合保険がいま「見直し」に迫られている中、何と信じられない事件が東京都の検査で発覚した。鳶職の世界でY氏を「知らない」人などいないほどの人物。そんな人が全国の組合員の保険料約1.5億円を流用していたことが発覚した。そればかりか、その下部組織である地方の組合でも幹部が10億円という巨額の保険料を流用していたことも明るみに出た。この組合には全国で26万人の建設業関連業者が加入している総元締めの団体で、県内にはいわき市平谷川瀬のいわき市職業訓練所センター内に支部があるという全国組織の組合だ。

 当組合の理事長も務めたY氏は1993年には厚生労働省の「現代の名工」にも選ばれた俗にいう“立派な方”である。調べたところでは「とんびの独言」(角川書店)や「納札大鑑 復刻版」の監修などもある。(詳しくはホームページでも検索できる)
 ところで何故こんな方が、72歳以後の人生を棒に振ってまで罪を犯してしまうのだろうか。これから鳶をめざす若者や親方として先輩として信じてきた仲間たちが、これからどんな風に接していくのだろうか。そしてY氏が歩んできたこれまでの道のりは一体何だったのだろうかと考えてしまう。

 県内にも「現代の名工」に選ばれた方が多く存在する。小生も日本古来の持つ技術と伝統を守り抜こうとする多くの人々を存じ上げているが、どの方も消えゆく「日本の美」を必死で守り抜こうと日夜、黙々と技術研鑽に務め後輩の指導や育成にも力を入れ、時には訳の分からない発注側の担当者に教えることも暇ない。また中には、何の役職も持たず、団体にも入らず、ただひたすら「技」に取り組む職人さんはたくさんいる。そこに人間的な面も加えて、表彰の舞台に立てて上げられるなら、あなたの団体は本当に偉い!
                           (2003.5.14)