講演

猪瀬直樹氏が日本道路公団を切る!
高速道路造った先にあるモノとは?

 2002年6月に、日本道路公団分割民営化の推進委員となり、その活躍振りが脚光を浴びた作家の猪瀬直樹氏。10月2日、その猪瀬氏の講演会が福島市内で開かれた。主催したのは、ある生命保険会社だが、会場は衆議院の解散も近いとあって、国政に関心を持つ参加者で席はほぼ満員。
 猪瀬氏は、講演の中で「道路公団はムダ使いしながらも、造ったモノを払えという江戸時代の関所のようなことをしている。民間企業であれば、どのくらいかかるかを計算することなど当たり前のこと。本来、日本道路公団は成長産業であるはずだが、それが40兆円もの借金をつくっていながら、そのかげでこんなことがある。高速道路に設置されている非常電話は、1台当たり250万円もかかっているが、民間でやれば40万円でできる。こうしたことに一切、メスが入らない世界が日本道路公団だ」と糾弾した。

ファミリー会社が全体の96%を受注!

 また、地元業者間でも、たびたび話題となる入札参加問題についても、「高速道路の道路補修工事も公団OBのいる会社の受注率は96%だ。それも社長とか専務とかで天下りしいてる、いわゆるファミリー企業が受注している。その数は300社から400社はある。
 工事に参加する入札条件には『これまでに工事の経験のあるもの』という項目があるのはおかしい。最初は誰でもはじめてなんだから、新規参入が容易になるように『規制の撤廃』は必要だ」と強調し、「来週あたり、藤井総裁は道路公団をクビになるはず」と語り会場を湧かせた。ほかにもハイウェイカードの割引にも異業種組合が参入したり、新会社が出来たりで、不当な割引が行われている実態についても厳しく批判した。それが組合の不正な利益に結びついたり、一部の国会議員に金が流れる「温床」になっている事実についても語った。

 「構造改革」については、「例えば、宅配の規制緩和では、クロネコや佐川急便などは、普通の宅配に加え、スキーやゴルフの新規宅配で事業は拡大した。郵便も病院も規制の撤廃で事業が拡大し市場が伸びていくはず。これからは護送船団ではなく、弱い産業は強い産業に、古い産業は新しい産業に変えていかなければ、中国に日本はいずれ食われてしまう。日本は農業国から土建国になったが、そこの先にどのような産業に移って行くのかが、今の政府にはその対応策がない。『高速道路を造ったその先に何があるのか』が、本来は大事なことだ」と締めくくった。これらのことは11月にまとめた本を出版することも明らかにした。

【一言】
 お疲れ気味の猪瀬氏だったが、水をカブ飲みしての約1時間半の講演だった。会場の参加者はますます「悪人」になる道路公団とその総裁に呆れただろう。よく日本道路公団の入札の実態に業者の不満と不平を聞いてきた。特に地元の植栽工事を手掛ける業者は、これらの実態は理解済みだが、どうすることも出来ないのが現実。県内の工事にも堂々と関東の業者も仕事を取っていた。それを下請けするのが地元業者だ。地元業者も仕事量に応じた「天下り」を受け入れているのが現実である。
 その猪瀬氏は翌朝の土曜日、元気にテレビ生出演して、道路公団分割問題を説いてたが、予告通り5日には石原伸晃国土交通省大臣はいち早く、藤井総裁の更迭に踏み切った。