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建築廃材は炭として固定化せよ!
炭には炭焼きの「温度」が大

今、あらゆる分野で注目を集める『炭』。最近では福島県住宅建築センターと岩代町がタイアップし、町の保育所をはじめとする公共事業に炭の効用を模索しはじめた。(詳細は9月25日更新号参照)同センターは年内にもNPOを立ち上げ建築廃材の炭化にも挑む。また郡山地域テクノポリス推進機構では、新しい産業を育てるという目的から、「炭の研究会」を開き、さまざまな分野のエキスパートから意見を募った。(先月号の主な記事参考)
 だが、炭の良さを語る人は多いが、その実体となるとそれなりのデータ分析が少ない。本誌は炭の研究会で技術アドバイザーを務め、「炭のかがく」の著者でもある日大工学部工学研究所の柳沼力夫氏を訪ねて、「炭とは何ぞや」について話しをお聞きした。

炭の効用に対する「説得力」がない!

本誌ー炭は誰もが「良い」と答える割には、はっきりとした効用が示されてません。どこにでも売ってますが、大ざっぱな表示ですね。
柳沼ーこれと言った土台がないんですね。炭は百面相であり、多重人格を持っています。ですからおもしろいんです。身近な割には知らないことが多いのが「炭」なんですよ。良い炭もあれば悪い炭もあります。良い炭を造るためには炭焼きの温度が大切になります。このところを考えないと粗悪な炭が出回って、「炭は使えない」という声が聞こえ出すわけです。
本誌ー先生のおっしゃる「良い炭」とはどのように作るのですか。
柳沼ー焼鳥屋さんや料亭などで使う「備長炭」は普通の炭の4倍の値段がします。硬くて重宝がられます。普通の釜ではなく、備長釜でないと焼けません。樫など硬い素材ですが、良い炭を作るのは、素材よりむしろ温度が大切になります。800°以上で焼き急激に冷やすことで、炭の穴が小さく吸着力のある良い炭ができます。炭は焼く時の温度で炭の善し悪しが決まります。備長炭は樫とは限らずヤマザクラや椚、コナラなどが元木となり白炭とも呼ばれていますね。
本誌ー住宅の床に炭を敷いたその効果はどうなのでしようか。
柳沼ー炭の効用に対する「説得力」がありませんね。炭の生産者には「こうなんだ」という実績が欲しいと思います。炭は単に“脱臭剤”ではありません。常に呼吸しています。3.5%〜4.0%を吸ったり吐いたりしているのが炭なんですが、ほとんどは脱臭剤という感覚です。
 福島市でこんなことがありましたよ。住宅の床下のコンクリートの上に厚さ50センチに渡って炭を敷いた家の水道管が破裂して、床下が水浸しになったんです。水浸しになった炭を取り出し、また新しい炭を入れたんだが「カビがはえた」という相談に来られた人がいました。このような場合は脱臭剤を入れて一度乾燥させてから炭を入れ替えなけれればダメですね。

炭の「熱」利用を考える研究を!

本誌ー炭の使い方や効能などをよく知らないと炭も悪者扱いになるわけですね。炭の用途はとしてはどうでしようか。
柳沼ー土壌改良に使えますし、建材にも使用可能ですね。ほかには畳の芯にも入れることができます。だた、塗料材として使用するには、まだ開発が必要です。
また釜の赤土の灰は畑に蒔くと肥料として、また赤土にはきのこが生えるなどの効果があります。
本誌ーところで、建築廃材は炭にはなりませんか。
柳沼ー建築廃材は埋めたら大変なことになりますよ。バクテリアが発生し人体に悪影響を与えることはご存じの通りです。環境汚染物質であるPCB(Poly Chlorinated Biphenyl ;ポリ塩化ビフェニルPCB)が人体に与える影響は計り知れません。廃材は炭として固定化することが大事です。炭は土に戻りますから使う“はけ口”を考えることが最も重要ですね。
本誌ー先生の「炭」に対する今後の取り組みはー
柳沼ー農水省をはじめ福島県内の営林署等の協力を得て、間伐材をいかに利用するかがテーマとなります。中国の方が日本より長い歴史がありますが、中国はすでに日本の炭需要から国土の木が18%まで下がったという報告までありますので、こうした樹木の減少は環境には大きな影響を及ぼしています。これからは炭から出る「熱」まで利用することも考えています。
本誌ーありがとうございました。

“炭”は多重人格、だから可愛い!?
http://www.medianetplan.com/030810/001.html