地域経済の活性化を促し、国全体の経済の活性化を図る内閣府認定の「構造改革特区」に全国の地方公共団体や民間事業者などから申請が相次ぐ。第三次認定では郡山市が「市営駐車場が地域の実情にあった特別料金を設定することで、駐車場の有効活用と、中心市街地の利便性向上を図る」ことが認められ「郡山市中心市街地駐車場運営特区」で駐車場料金の設定・変更手続きを開始する。
 それより先、喜多方市は市の基幹産業である農地の荒廃が進む中で、特に国営事業(昭和45年から平成4年)で造成された雄国地区の遊休農地の解消にあらゆる法人の農業参入を認めた『喜多方アグリ特区』が8月に認定された。それにいち早く立ち向かったのが、特区認定前から「農業に参入したい」旨の意思を市側に伝えていた地元建設業の大岩建設工業株式会社、株式会社一建設、株式会社環境建設、大建工業有限会社の4社である。(写真=構造改革特区となった喜多方市役所)

新規参入の建設業4社に大きな期待
既存の農家の刺激剤と農地活用

 12月はじめ、喜多方市役所農林課内にある「喜多方市アグリ特区推進支援センター」を訪ねて最近の動向を聞いたが、これら4社は来年度からの本格的な開始に向けて着々と準備を進めている。特に「そば」「トマト」を中心に栽培する方針で、一社当たりの作付面積は当面5000・を耕作するが将来は順次拡大する予定。年間の賃貸料は2万5千円で農地法に基づく5年間の契約となる。職員のひとり穴沢さんは「これら4社の本格的な取り組みは来年の夏場になると思いますが、建設業者が農業に参入するということで、既存の農家の刺激になると思っています。また、企業が農地を借りることができるようになり、公共事業の削減で経営が厳しい建設業者にとって、少しでも収入増に結び付けばと思います」と話す。狙いはこうした建設業者の対策だけではない。最大の狙いは遊休農地の解消であることに違いない。「先日も郡山市内の一般企業から問い合わせがありましたが、多くはマスコミの取材です。こうした問い合わせは月に1回あるかどうかというところです」と穴沢さん。企業側の慎重論は否めないが、建設業者の積極的な参入は“既存農家の農業に対する新たな刺激”になる狙いもあるだけに重要な役割も担っている。(写真=農林課内にある喜多方市アグリ特区推進支援センター)

最大の特区活用は広大な農地の遊休地対策

 喜多方市から特別な助成金や支援策はない反面、収支決算書の提出も特に求めてはいない。生産されたソバやトマトの取引先も具体的には決まっていないが、一部にはカゴメ株式会社という声も挙がっている。国営事業雄国地区の遊休地は約40ヘクタールあり、今後どれだけ農地対策が進むかは、建設業の新規参入をめざす4社にかかっていると言える。(写真=遊休地約40ヘクタールある国営事業雄国地区)

■4社の事業内容
事業所名 農地の所在地 導入作物名 作付面積(・) 実施年度
大岩建設(株) 雄国地区 そば 5515 平成15年度
(株)一建設 雄国地区 そば 5746 平成15年度
大建工業(有) 雄国地区 加工トマト 5620 平成15年度
(株)環境建設 雄国地区 緑化木 5530 平成15年度


★詳細は関連ホームページで
■[PDF] 構造改革特別区域計画
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/030908/004.pdf
■構造改革特別区域計画の第2次認定申請受付の結果について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/030715/030715kekka.html