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どこでも起こり得る水害、日頃の備え不可欠


〜福島市で「防災・減災フォーラム2006」〜
福島市で開催された「防災・減災フォーラム2006」
福島市で開催された「防災・減災フォーラム2006」
 『防災・減災フォーラム2006 in 福島 〜洪水からどう守るか、備えるか〜』が8日、福島市のコラッセふくしまで開催された。フォーラムでは、日本大学工学部の高橋迪夫教授が阿武隈川で起こった大規模な洪水を題材に基調講演を行ったほか、高橋教授や福島河川国道事務所の植田雅俊所長らによるパネルディスカッションが行われた。

||| 日大工学部の高橋教授が基調講演 |||
  同フォーラムは、本格的な台風シーズンを迎え、水害や土砂災害の発生に備え、地域や家庭が準備しておくべきことや災害時の行動について県民に周知徹底を図る目的で開催された。
 日本大学工学部の高橋迪夫(みちお)教授は、「水害に備える 〜8.5水害から20年〜」と題して基調講演を行った。高橋教授は福島県を襲った昭和61年8月と平成10年8月の阿武隈川の洪水を例にして、近年の水害の特徴などを解説した。

■福島を襲った2つの大きな水害 ―

  高橋教授によれば、近年の水害は、大量の雨が局地的に降ることによって起こるケースが多いという。昭和61年の水害では、福島市で24時間で261ミリの降雨が観測された。福島市の平均年間降水量は1,100〜1,200ミリであり、1年の総雨量の4割程度がわずか1日で振ったことになる。さらに、平成10年に起こった水害では、西郷村の5日間の総雨量が1,268ミリに達した。

■県内でも増えている都市型水害 ―
 
 また、集中豪雨に加え、県内でも水が浸透しない舗装面積が拡大する一方、一時的な貯水機能を担ってきた水田が宅地化することによって、降雨時に大量の水が一気に河川や下水道に流れ込み、その許容量を超えた場合に発生する「都市型水害」が多くなっているという。

地球温暖化やヒートアイランド現象などの複合的な要因を背景に、近年の集中豪雨の発生頻度が高まっている一方、集中豪雨がいつどこで発生するかを予想することは非常に難しいのが現状だという。さらに、阿武隈川は平成10年から行われた「平成の大改修」によってかなり整備が進んでいるのに対して、阿武隈川に注ぐ支流や下水道の整備についてはまだまだ安心とは言えないことを指摘した。
 このことから、洪水などの水害は、どこでも発生しうるものであり、住民1人1人が自分の問題として認識することが重要であると話した。高橋教授は、日頃からの備えとして、堤防や護岸、排水ポンプの整備といったハード面を推進する一方、住民レベルでも各自治体が作成している洪水ハザードマップなどを参考に災害時の非難経路の確認や非常袋の用意といったソフト面の対策の必要性を強調した。

■水害から高齢者をいかに守るか ―


  パネルディスカッションには、高橋教授のほか、福島市自治振興協議会連合会の村上弘会長、NPO法人うつくしま保全センターの齋藤美佐理事、福島市消防団の渡邊之忠副団長、福島河川国道事務所の植田雅俊所長がパネリストと参加、学識経験者や市民、消防団、行政のそれぞれの立場から、阿武隈川の危機管理について話し合った。
 このなかで、今年7月に西日本を襲った水害では、高齢者の死者・行方不明者が目立ったことから、水害発生時に一人暮しの高齢者などをどのように守るかを準備しておく必要があるといった意見が示された。(06.8.9)


日本大学工学部の高橋迪夫教授 日本大学工学部の高橋迪夫教授
プロフィール 【高橋 迪夫 たかはし・みちお
日本大学工学部教授

1945年埼玉県浦和市生まれ。68年日本大学工学部土木工学科卒業。日本大学工学部助手、同助教授を経て現在に至る。専門は水工・水理学。現在、阿武隈川河川整備委員会委員、福島県河川審議会委員、福島県公共事業評価委員会委員などを務める。





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