引き続き、宮田年耕道路局長
(=写真)が「道路と経済・地域振興」と題して講演を行った。
その中で宮田局長は、「人口減少や高齢化、国際競争力などから道路を取り巻く現状は厳しさを増すが、今後の5年から10年が社会資本整備の重要な時期である。東北地方では95%以上が自動車での移動手段を余儀なくされているなど、3大都市や全国を比較しても、まだまだ道路整備は不可欠だ。今後、取り組むべき課題として、未だ6割に過ぎない高規格道路ネットワーク化の整備促進だ。実現すれば、高速道路沿線に工業団地の立地が増え、工業出荷額が大きく伸びる。浜通り地方では、高速道路のネットワーク化によって、高級鮮魚をそのまま首都圏へ直送できるし、Jヴィレッジを活用した地域の振興が図られる。また、輸送時間短縮によって、生命の確保や緊急医療機関へのアクセスが容易になる」と説明した。問題の115号線については、「線形不良区間が多く(R<100が14箇所)、冬期間は相馬〜福島間は所要時間が1.5倍になるばかりか、事故発生率が県内の国道で極端に多い」と指摘した。さらに、「一般国道115号霊山道路・阿武隈東道路は、福島県内の県土造りの北部軸の要として、東北中央自動車道と一体となった広域ネットワークを形成が大切になる。道路特定財源が一般財源化を前提に、平成20年の通常国会で法改正が行われようとしているが、国土の道路網整備は、国際競争の面からも、国民生活の安全・安心な面からも道路行政として極めて重要な取り組み。中期計画は真に必要な整備であって、スピードを持ってやらなければならないのはこの20年だ」と道路ネットワークの重要性を明らかにした。