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戦略的連携で新たなまちづくりを!
地域のお年寄りとの交流の大切さ

 いまこそ地方から。発想を変えた『これからのまちづくり』と題するまちづくりシンポジウムが21日、郡山市の郡山市民文化センターで開かれ大勢の市民が聴講した。主催は(財)福島県区画整理協会。
“たかがシンポ、されどシンポ”と言われるが如く、たかがオープニングに、金をかけたと思える派手な映像演出が目を惹いた。されどパネルディスカッションでは、福島県土木部技監兼都市局長も歴任したことのある小室博英氏が軽妙なコーディネートで4人のパネラーの良さを引き出した。


   ◎出席者    
 ● コーディネータ    小浪博英 (帝京平成大学教授)
 ● パネラー  伊藤 和 (タウン誌「街こおりやま」編集長)
   チョン・ヒョンシル (エッセイスト)
   高島信夫 (いわき市都市建設部長)
   本田勝之助 (会津食のルネッサンス代表)



  パネルディスカッションには、県内の主要都市である郡山、福島、会津若松、いわきの4市からタウン誌発行編集長、NPO法人理事長、ネット販売会社代表、自治体担当者といった分野からそれぞれの地域でのまちづくりに対する考え方や取り組み、そして発想の転換などについて、それぞれの立場で意見を出し合い、“いま、福島県からまちづくりについて何が発信できるのかを探った。

視点と発想を変えたまちづくりを議論したパネルディスカッション

 郡山市でタウン誌を発行するかたわら、高速交通時代の幕開けとともに大型店舗出店が相次いだ頃、郡山市で守るもの、育てるもの、生み出すものは何かを追求してきた伊藤和氏は、まちづくりが進まない背景には、地域連携と縦割り行政のまずさがあることを挙げたほか、マチは褒めてやることの大切さと、都市年齢としても若い郡山市は、若者のマチ、行動のマチとしてこれからも期待できると話した。

 福島市に住んで、福島と韓国を結ぶNP0“ふくかんねっと”を立ち上げ、地域の人々とさまざまな交流機会を設けることで、福島への愛着をさらに募らせる一方で、地域と根付いたネットワーク形成に努める韓国人のチョン・ヒョンシルさんは、「東京に10数年、福島に8年住んでみて感じたことは、都市と地方の格差の違いに驚く一方で、福島の人々は本当に福島の良さに気づいていないことにも驚く。そして共に暮らしていく上で、相手の日常生活に関わる慣習や習俗といった文化を理解することこと、地域のお年寄りとの交流などの大切さを強調した。

産学官の連携、今こそ必要!

 会津若松市で会津野菜や地元産品を地域資源として、自治体や生産者、そして市民と連携して地域・まちづくりに取り組む本田勝之助さんは、他県で福島県はどこにあるかと聞いても知らない人が実に多いと言うことは、県としての性格がはっきりとしていないのが問題としながら、これからは発想の転換で都市部と農村部の戦略的連携で新たなまちづくりをめざすべきとする一方、農産物の首都圏への独自な導入、さらな海外との連携にも意欲を語った。

地域再生の戦略で講演する月尾教授

  いわき市で、市のまちづくりと発展に取り組む高島信夫さんは、いわき市には“結いのまちづくり”という互いの産業が助け合ってマチを支えていくという考え方があり、子供達の時代までのまちづくりを考えた政策が大切。まちづくりに国の諸々の制度を活用しながら山間地域からの脱却が必要。東京といわきの格差を無くすためにも、地域の伝統を守りながら、本気で真剣に考えることが求められているのではないかと語った。

 最後にコーディネーターを務めた小湊博英さんは、福島県はもっと県内の大学との連携を図る必要がある。大学の先生や学生を充分に活用しているとは言えないのではないか。産学官の連携、子供とお年寄りとの連携もまちづくりには欠かせないと締めくくった。

 また、パネルディスカッションを前に、東京大学名誉教授の月尾嘉男さんが、「地域再生の戦略」と題して基調講演を行い、拡大する地域格差や全国で成功を収めた商業環境の再生などについてプロジェクターを使って紹介した。(08.5.23)



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