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今こそ、耐震改修の好機、改修で地震死を防げ!
県耐震化・リフォーム等推進協議会がセミナー


 「耐震改修は木造住宅にとって10倍以上の投資価値があります」と語るのは、阪神大震災で自ら家族を失ったという神戸市外語大学事務局嘱託の稲尾政信さん。14日に福島市の杉妻会館で開かれた県耐震化・リフォーム等推進協議会が主催した耐震改修・リフォームセミナーでのこと。冒頭で稲尾さんは、「妻から、建築士のあなたが、なぜ住宅が倒れるか解らなかったのか」と詰問され、その耐震建築に無知だったことを恥だという。



  その研究から古い木造住宅は大震災では崩壊することや耐震改修をすれば10倍以上の投資価値があることなどを知ったという。だが、そうした効果があるものの、実際にはなかなか進んでいないことを指摘し、参加した設計士や建築士、さらには一般市民に対しその必要性やその進め方について語った。

 稲尾さんは日本周辺には4つのプレートが交わり世界陸地の0.3%に当たり、そのうち10%が日本で起きると前置きして、日本は世界の4番目で7.8年に一度は大地震が発生しているという。さらに息子さんも犠牲となった阪神大震災では、木造住宅の93%で犠牲者が出た。その建築年代は昭和45年以前で80%が崩壊し、直接死は5520人(死者数6433人)となった。だが、鉄筋コンクリートのマンションでの死者は20人程度であり、鉄筋コンクリートは耐震的に弱くても崩壊は少ないことを実証した。神戸を代表する社寺や酒蔵の再建、そして木造異人館なども鋼管コンクリートの柱や接合部分を鋼鉄製の鋳物に変えて伝統様式を再現したほか、東大寺大仏殿は構造補強、南大門が鉄骨造で修復された。

 古い木造住宅は震度7で倒壊するが震度4では倒壊しないことも解り、もう少しの耐震改修で古い住宅も倒れないという。その改修の進め方としてまずは、自らで行うことが大切で、1981年以前に建築された住宅はほぼ、耐震改修が必要とのこと。まずは専門家に依頼して耐震診断行い、耐震改修設計と改修工事に取り組む段取りだ。これらには各自治体に問い合わせを行い公共的な補助を受けるようにする。その際には地盤の状況調査も追加すること。
 耐震のチェックポイントとしては、水回りのリフォーム、ダイニングの耐震補強、タンス置き場の張り出しと格子組み壁の補強等を行う。これらには150万円の耐震改修費でも倒れないようになる。

 150万円の改修費で命が助かり、資産としての住宅が残るばかりか耐用年数が20年以上伸び、その投資効果は10倍の1500万円にも匹敵する。さらに耐用年数を伸ばすことは大きな省エネにも繋がるという。稲尾さんは「今こそ、耐震改修の好機であり、耐震改修で地震死を克服しましょう」と講演を締めくくった。(09.2.17)





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