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家づくりは大手メーカーか、地元工務店か!
地元工務店の課題は明確な仕様と価格の提示

 先日、地元工務店が開いた本物の家造りとは何かを問う「住宅計画」勉強会に参加した。これまでにも大学の先生やコンサルタントなど、実際に家づくりを経験のない講師の“机上の空論に近い”家づくりは聴いてきたが、今回の講師は本物だった。





  田舎の工務店の二代目社長として長く建築に携わってきたが試行錯誤の末、本当にいい家づくりを広めたいと全国で無料のセミナーを開催するに至ったという。聴講する参加者はほとんどが素人である。だが、彼が話す家づくりは、これまでの講師よりずっと、的を射た解説だった。

 これまで、私たち素人は「家を建てたい!」という夢を持つのはどちらかというとテレビコマーシャルに刺激を受けことが多い。コマーシャルを流すのは大手ハウスメーカーである。吉永小百合、みのもんた、阿部寛、そしていま朝ドラで人気者となった多部未華子や毛利衛さんらが顔を出す家なら「安全と安心」を彼女や彼らが限りなく約束してくれたと信じ込むだけの“暗示”にかかってしまう。だがそんな彼らが発した言葉に彼らの責任はない。あくまでもイメージキャラクターなのである。

 それに比べ、地元工務店のイメージはどうだろう。まあ、スーツをビシッと決めて、高級車に乗ってさっそうと我が家に乗り付けてもくれば、第1段階のイメージは合格点を差し上げたい。これが作業服や軽トラックでも来られれば「この会社、この人に任せて大丈夫かょ?」ということに成りかねないほど、出会いのイメージはオーバーだが大切なのである。だが、私たちのような素人はここからが大きな分かれ道となるのだ。

 当然、全国に流すコマーシャルは莫大な宣伝費を必要とする。その費用も結局の所は、家を造る施主に被さってくるのだ。見栄えの良い、夢のような家は実現するが、多くの消費者は家という商品の価格のみに囚われて決断してしまうのだ。材料はどこの産のものか、どんな仕様で建築されていくのかなどは余り気にしない。これは地元の工務店に頼んでも同じ事が言える。

消費者の責任は業者に丸投げする所から始まっている

 結局の所、消費者は家づくりについての勉強はあまりしないばかりか、ほとんどをメーカーや工務店に丸投げしているのだ。その後に起きるアトピーやアレルギー問題、ダニ、カビ、結露、騒音問題などが襲いかかってくる事はなぜか予測できない。

 こんなことを評論家紛いで書けるのも、この日の講師から受けた刺激は大きかったからである。私はいま、異業種の4人で200年住宅(長期優良住宅)の家づくりに取り組んでいる。『200年住宅』とは造ったら200年は黙って保つ住宅という意味ではない。これまでの消費住宅を改めて、何代にも渡って長期に住める家づくりをしようという意味である。欧米は40年から60年以上住み続けるのに比べ、日本の住宅は25年がやっとである。これに歯止めをかけたい政府は「200年住宅」として取り組んできたが、誤解が多いので長期住宅に名称を変更した。

 私たちは、地元工務店が地元の素材を使って、地元の風土にあった工法で家を造ることが究極の家づくりだと考えている。その点から言って、家づくりは大手ハウスメーカーではなく地元工務店が最適だと思う。そのためにもこれまで地元工務店が不明瞭な部分が多かったのが、明確な仕様と価格の提示である。   
 さらに使用される素材の説明責任であり、どんな変更でも施主と綿密な打ち合わせを持つことである。最後に工期の厳守である。昔のような棟梁の頭ひとつで家ができたという時代ではない。最も大切なことは共に家を造っていくという姿勢であり課程にあると思う。途中でどんな素材変更もなければ、どんな価格変更もない家をつくることが地元工務店の生き方だと切に感じている。今回の勉強会はまさに講師に感謝である。(09.5.21)




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