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アンケート調査で元請、下請関係の現実訴える!
県入札監視等委員会に課せられた役割にも疑問符?

 平成19年4月に第1回の会合が持たれて今回で22回目を数えた県の入札制度等監視委員会。当初の委員は清水修二 (委員長)、安齋勇雄、岩渕敬、江川和弥、小川静子、北川圭子、田崎由子、羽田則男、森岡幸江氏の9名。現在は美馬武千代(委員長)、安斉勇雄、小川静子、齋藤玲子、田崎由子、芳賀和英、藤田一巳、森岡幸江氏の8名で構成され、当初からの委員は安斉勇雄、小川静子、田崎由子、森岡幸江氏の4名である。10回目にあたる昨年4月に清水委員長が公務多忙を理由に辞任した。その会合では「県発注工事における元請・下請関係の適正化対策について」報告され各委員の意見交換が行われた経緯がある。



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 奇しくも22回目となる18日の会合でも、10回目と同じ「県発注工事における元請・下請関係の適正化対策について」業界団体と意見交換が行われたのである。同委員会はこれまで数回にわたり建設関係団体からの意見聴取を行ってきたが、当日も建設業協会、総合設備協会、専門工事業団体、土木建築調査設計団体、そして1事業者(非公開)から意見を求めた。「元請・下請関係の適正化」については、専門工事業団体の三浦康克氏(東開クレテック)が、この日も「元請、下請関係は適正どころか、極めて元請の優位に進んでおり、下請専門業者は経営存続野危機状態だ」と会員のアンケート調査をもとに、元請・下請関係の改善化を訴えた。三浦氏は数回の意見聴取でも、この一本に絞って再三にわたり改善を要求するが、「当委員会の範囲外」として自らの自助努力を促し、県側も「任意契約に介入できるか疑問」等として、今回も“意見交換”程度に止まった。
 三浦氏が訴えたのは、元請のキチンとした経営環境と維持、そして適正価格での受注こそ、下請業界の明日があるという点だ。県の不良元請業者に対する監督強化の必要性を訴えながらも、契約書締結の徹底や法的問題発生時の下請110番の活用を再度促す程度だ。元請と下請との関係は、こうした制度を利用する環境には無く、“元請の言いなり”が現実に存在する過程を赤裸々に語った三浦氏が印象に残った。
 また、建設業協会の意見聴き取りでは、特殊製品の見積単価や特殊工法を用いる場合の設計図書の公開、発注者が決定したその予定価格は業者には最低制限価格に過ぎなく、その価格を値引いて競争させること自体が何の意味もないことだとして、「一定の値段で良いモノをつくることは税金のムダ遣いにはならない」と、間接的に最低制限価格や標準単価の公表などを県側に求めた。総合設備協会側は、現場代理人の経費が出ないほどの予定価格では問題だと、予定価格を94%まで引き上げるよう要望した中で、「税金で仕事を出しているなら、その税金は仕事を請け負う我々から取って欲しい」という強硬な意見までも出された。設計関連団体の土木設計関係からは条件付き一般競争入札は規模の大きなもの、小規模は指名競争入札が良いとする意見、建築設計では、新築・改築はプロポ、コンペが望ましく、耐震・設備・大規模改修は条件付き一般競争入札が実績や能力からやむを得ないとする意見が出された。また、一般競争入札では総合評価方式を条件として、その場合は低入札価格調査制度ではなく最低制限価格の設定が肝心だとする意見、また業界で増えつつある技術士補も評価対象にして欲しいと要望した。

発・受注者側の考え方に大きな開きと温度差

 いずれにしても、どの団体からも最低制限価格の引き上げや総合評価方式の見直し、技術審査の要求項目の開示や積算額の公表などが挙げられたが、発注者側と受注者側には、考え方の大きな開きと温度差を感じる委員会だった。また、発注者の県と受注者の業界、下請の工事専門業者、その間の行司役である監視委員会の間にも、自らが抱える問題に手を拱(こまね)いている現実が浮き彫りだった。コロコロと変わる入札制度改革は、県側の一方的な改革に過ぎないという批判もある一方で、同監視等委員会に課せられた役割にも業界団体から疑問符が付きそうだ。(09.11.19)

■入札制度等監視委員会ホームページ
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/
■委員会議事資料
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/





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