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福島市で“水環境を考えるシンポジウム”が開催
瀬戸市長ー「川を観光資源のひとつに」
青山局長ー「杓子定規・コスト減が生態系に影響」


 「川はどうあるべきか」を問う水環境を考えるシンポジウムが2日、東北圏広域地方計画協議会(東北地方整備局、東北地方環境事務所、福島県)と阿武隈川サミット実行委員会の主催で、福島市の福島ビューホテルで開かれた。



 「豊かな自然と共生する社会を目指してー」と題するシンポジウムでは、青山俊行東北地方整備局長、小林香東北地方環境事務所長、瀬戸孝則福島市長(阿武隈川サミット実行委員会委員長)、塘(つつみ)忠顕福島大学准教授が「豊かな水環境・生物多様性の保全のために」をテーマにパネルディスカッションで意見を交わした。
 
 また、冒頭では塘准教授が「生き物の個性とつながりを意識した水環境の保全」と題する基調講演を行い、地域の水環境の保全、再生、そして利用するためには、地域の水環境にしっかりと目を蹴ることの大切さを訴えた。さらに、活動事例報告では伊達市の古川、郡山市の逢瀬川、須賀川市の須賀川、福島市の荒川でそれぞれ川の再生や保全に取り組み、川と地域のコミュニケーションを図る市民の活動が報告された。特に「行政に頼らず、行政に頼られて、行政と共に歩む」ことが川を豊かにする第一歩だとする報告、「子どもを巻き込んだ活動」が効果を上げたとする報告、環境を考慮した道路の建設や川づくりの大切さを指摘した報告など、それぞれの取り組みは参加者の関心を集めた。
 
 こうした報告事例に対し、主催者のひとりである青山局長からは「これまでの杓子定規なやり方、コストを安く抑えるためにコンクリートで固めたやり方などが、いつしか生態系を崩してきた。これは反省材料のひとつ」という発言もあった。また、瀬戸市長からは「川は地域の交流の場だけてなく、各自治体の首長にとっても互いに集まれる場となっている。これから、川はハード面の整備からソフト面に移っている。ふる里の川を大切にして、川を観光資源のひとつとして取り組みたい」と語った。このシンポジウムを通して主催者側からも「川に対する勉強はまだまだ不足している」とする意見や発言が相次いだ。

【取材を終えて】

 バネリストの東北地方整備局の青山氏、東北環境事務所の小林氏、そして福島市長の瀬戸氏のいずれも福島市の出身者。それぞれが懐かしむかのように阿武隈川、摺上川、松川で遊んだ少年時代を語った。脳裏には、照りつける真夏の太陽の下で、友達と川に飛び込み、川に潜り、魚を捕らえたり、泳いだりした頃の川をイメージしていたはずだ。その川を取り戻すために県内各地でボランティアや地域住民が日々活動を展開している。如何にしたら清流が、ふるさとの川が取り戻せるかは、行政に携わる側の決断にかかっている。
 すべての川を、小川をコンクリートU字溝で固め、魚も貝も虫も藻も住めない川にした。その責任は、自然を無視した行政の一方的な政策に過ぎない。壊したモノを復元するには壊す以上のエネルギーを必要とする。シンポジウムで思い出に浸るものいい。未来の子ども達に、自分たちが遊んだあの時代を取り戻してやることが行政に携わる者の仕事だ。会場は満席の状態だったが、そのほとんどはネームプレートを首から下げた行政マンで埋まっていた。「局長が来る、所長が来る、市長が来る」と駆り出されたなら「やらせ」の何ものでもない。活動事例報告をもとに本当の「取り組み」を期待したい。子ども達が川で遊べることは “生きものの棲める川" なのである。シンポジウムを懐かしむシンポジウムで終わらせてはならない。(富)





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