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落札した業者は入札額順位が17位の理由とは
5件の抽出案件等で県入札制度等監視委員会が審議

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 27回目となる福島県入札制度等監視委員会が9日、県庁で開かれた。美馬武千代委員長(福島大学教授)ほか8名の委員全員が出席した。県側からは土木部技監、建設産業室長、総務部政策監、入札監理課長など約30名の担当職員が出席した。議事は報告事項として、平成21年度・第4四半期分の入札結果、総合評価方式の平成21年度実施結果、第4四半期における入札参加制限(指名停止)運用状況、審議事項は抽出案件について、最後に各委員の意見交換で進められた。
 その中で最も関心を注いだのが委員会側で抽出した事案の審議だ。抽出のテーマは総合評価方式で価格逆転が生じた5件の案件(別表参考)だ。案件の1つは、縮減される中で2億円という工事にも係わらず参加業者が5社とは少ないのではないか(案件1)という意見に対し、担当のいわき建設事務所側は「地域がいわき市ということでいわきの業者のみの参加となったと思う」と答えた。ちなみに落札した業者は総合評価方式の場合の入札額順位は2位、加算点順位は3位だった。
 2つ目に、落札した業者は入札額順位が17位(加算点は1位)にも係わらず、落札者になれた理由を質したのに対して、担当のあぶくま高原自動車建設事務所側では、「入札に参加した業者21社のうち、無効又は失格になった業者が2社、残り19社のうち14社足きりとなり、残り5社から決まった」と説明した。それに対し美馬委員長は「総合評価方式が採用されているのに、低い価格で入札した業者が落札したのは、キチンと見積りが出来ない業者が多いのではないか」と再度質問した。これに対し事務所側は、「電気設備工事で1億円というのは余り多くない工事なので、まだ制度そのものに慣れていない参加業者が多かったのではないか」と答えた。

 あとの3案件については委員側から質問がなかったが、委員長は「同額価格だと加算点が効いてくるが、加算点があまり効き過ぎないようにすることも考慮すべきだ」と県側に注文を付けた。こうした入札金額だけでなくそれ以外の要素(評価)を加えた結果、落札者が逆転するいわゆる「逆転現象」についても審議する必要があるとして、次回の委員会で審議して欲しいという意見が出された。ほかの報告事項については後日、入札制度等監視委員会のページでご確認下さい。(10.06.10)

【取材を終えて】

 「うーん」と唸ることが多い委員会の現場だ。多くの資料が記者や傍聴者に配布されることは記事を書く上では便利だ。だがこれだけの資料を県の担当者が作成して提出するまでには、多くの時間と賃金がねん出されていることだろう。抽出案件の審議では、いわき建設事務所、あぶくま高原自動車道建設事務所、県北建設事務所、会津若松建設事務所からも12人の職員が審議に加わっている。だが、いわき建設事務所とあぶくま高原自動車道建設事務所の職員からはその入札経緯を聴くことは出来たが、あとの事務所職員は資料を棒読みにしただけで終わった。特に委員会側からも特段の質問が出たわけではなかった。
 この審議が民間企業で行われたなら、何とムダな会議だと言うことになる。委員会側も審議事項ならそれなりの「奥の手」を持って質問できないものか。 また、県側も議会の答弁ではないのだから、どうすれば入札制度が業者のために活かされ、“救いの手”となるのかを感じて欲しい。業者と県、県と委員会、委員会と業者といった「連携プレー」が伝わってこない。総合評価方式は、一社独占の要素を十分に含んでいる。チョットくらい低めに札入れしたくらいでは、加算点が多い大手業者には太刀打ちできない。何もかも評価項目に当てはめ、加算点を上積みされたのでは、2番手以下は勝ち目がない。入札額だけでも落札できる仕組みも適材適所で適用しないと、制度改革が進めば進むほど、業者は逆に淘汰される。これでは、「県入札制度等監視委員会」が最も業者を奈落の底に突き落としている制度機関なのではないかと疑ってしまう。各委員はもっと事前の聴き取り調査を業界側から行う必要がある。あまりにも業界とは遊離した位置で収まっている気がする。それは県側も同じだ。(富田)





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