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先が見えない福島商工会議所の除染講演会と除染組合
進まぬ除染の実施、地元で出来ない地元業者の活用術

 福島県は14日、「除染・廃棄物対策推進会議」を開き、重点調査地域41町村のうち、23市町村が策定した今年度の除染計画対象戸数8万8674戸、5月末まで実施したのはわずか2.5%で、福島市の実績は2万2714戸に対し、実績は718戸。これも仮置き場の確保が難航していることから実績が上がらないという現状が浮き彫りになったという記事が新聞に載った。
それと同じ日、福島商工会議所建設部会は、3月に設立した福島市除染支援事業組合と合同で、「除染作業における作業員の衛生管理と効果的な除染作業法について」の講演会を開催した。
 
 一方では県関係者が遅々と進まない住宅除染実績を憂い、もう一方では、除染工事を仕事にしたい業者の会合が進められていたが、会を主催した福島商工会議所の思惑は、地元業者がこれから先、仕事に結びついたとき必要な「知識と技術」を身につけて欲しいという“転ばぬ先の杖”と言ったところの講演会だと理解している。
 
 第1部の福島労働基準監督署第三方面・前田直澄労働基準監督官の講演はわずか20分、この時間に「講演しろ」と言われた監督官も「駆け足になってしまいますが・・・」を何度も連発しながらの資料説明も“お触り”程度に当たるのがやっと。参加者も手元の資料をひっくり返し、おっくり返すうちTHE・END。2部の佐藤工業執行役員の菅野栄一試験室長の講演は約1時間、これまで地元企業のトップとして除染事業に携わって得た知識と技術を参加した業者に伝授した。まさに県を代表する企業の責任感が伝わる。
 盛り沢山の中から「個別汚染の測定結果」、「除染の枠組みと予算」「除染作業の流れ」「除染の効果」「除染事例写真」などを細かに説明した。佐藤工業の実績は県内でもダントツは言うまでもないが、果たして、この高度な内容をどこまで理解出来た業者はいたかである。除染事業とは、こうした高度な知識と技術を駆使しない限り元請としての仕事は出来ないのである。だが、参加者の多くは福島商工会議所建設部をバックに支援組合の受注か、それに準じた受注を望んでいることは事実だが、この講演会からは、業者の思惑が伝わってこない。
いま、商工会議所と支援組合は何処に向かって進んでいるのかも見えなかった。

地元の除染工事を地元業者が受注するのが本来の目的

 講演会の最後、福島市除染支援事業組合の副会長である佐藤工業の加藤眞司社長はあいさつでこう切り出した。「我々地元業者が、大手業者の下請や孫請けで仕事をやると受注額の半値以下の30%から40%程度で仕事を受注するのが現実だ。何としても、地元業者が、地元の除染工事を受注するのが我々の本来の目的だ。福島市や県に対し、出来るだけ地元企業に仕事を発注し、活用して貰うよう働きかけていく」という決意を語ったが、この日の講演会に参加した業者のすべては、この一点に尽きる思いだったろう。仕事が出来るのなら、「作業員の衛生管理も効果的な除染作業法」も頭の天辺から脳を伝わり身につくはずで、居眠りなんて漕いている余裕などない。会議所側も、こうした年間の講演回数を消化することより、「いかに福島市及び福島県の除染予算を地元業者に落とせるかをいう方策を、業界関係者や市・県を交えた会合を実践的に何度も持つことだと思うのだ。今回、会議所がアンケート調査で得た回答の中にこんな切実な声があった。あなたはどう捉えますか? (2012・6・15)
★これが地元業者の声
○ 「年度末の入札件数は平年と比べて、さほどドラスティック(度を越して激しいさま)な減少がないももの、入札時の落札価格が年々極端に減少しており、“安かろう、悪かろう”状態になっており、1社のもの企業努力では会社の経営内容が改善されない仕組みになっており、7割近くが県の最低賃金を割って人を派遣している状態です。福島市の案件はひどい状態です。入札の際の最低制限価格の設定を切に求めます」
○ 特別措置法の目的は、債務費用の概要になっている。誰が責任を持って実行していくのか? 市のトップ及び議会の行政指導力がない。
○ 除染にしても、案の定、中央大手ゼネコンが福島市の除染工事事業の落札を果たし、被爆等の危険を伴う除染作業の実施者である。福島市内の中小零細業者に仕事が回ってくるまでに、落札金額の30%から40%に受注額が減ってしまう現実をどのように発注する側が考えているかわかりません。一度切りの除染で線量が下がり、市民が安心して暮らせるようになるとは全く考えていないことを知っていながら。
○ 除染作業の工事発注方法の検討、一般競争入札の廃止。指名競争、業務委託の発注、県内業者への工事発注。
○ 適正な金額で地元の企業が仕事がやれる仕組みを作るべきだ。地元の経済活性化になる。

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