Home >“美辞麗句”が似合う設計コンペでありたい! 会員専用はこちら

“美辞麗句”が似合う設計コンペでありたい!
須賀川市立第二小学校校舎改築プロポーザル・ヒヤリング

 「須賀川市立第二小学校校舎改築プロポーザル競技」のヒヤリングが24日、中央公民館で行われ、第一次審査を経た東京の惟(ゆい)建築計画、仙台市の佐藤総合企画、郡山市のティーアール建築アトリエの3者が審査へ挑んだ。“立て板に水”とは、こんな時に使えば当てはまるのかと思うほど、3者の発表者はどこも甲乙付けがたい提案を披露した。

 「復興の灯火」「記憶に残る風景」「地域に開かれた学校」「中心市街地に寄与する」「安心安全を第一に」「児童の安全・保護者の安心」「歴史の継承」「豊かな学校生活」「地域と児童の対話」などの“美辞麗句”が並べ立てられ、どのヒヤリングでも決まってこうした言葉のオンパレードで “目くらまし”にあったようである。これは特に全国を股にかける大手設計業者の得意分野とする所なのだろうが、その言葉からは何をコンセプトに「差別化」を図ろうとする提案なのかという具体性が見えてこない。学校でも庁舎でも図書館でも、何でも当てはまるデコレーション(“美辞麗句”)の盛り沢山といった風である。本来、ヒヤリングを傍聴する側が求めるものは、須賀川という場所の地質や地盤、あるいは地形や周辺隣接道との関わり、さらには雨・風・雪・陽といった “須賀川の四季” が織りなす自然環境との共存共栄にまで踏み込んだ提案は出来たと言えるのだろうか。

 その中のひとつの提案では、地震や放射能に対する安全性やトイレの雨水利用、さらには内装材の滑落防止策、エコスクールの取り組み等、“地元ならでは”の視点と対策が施されていたような気がする。まあ、これは素人の目が地肌で感じたことで、最終判断は審査委員の5人に委ねなければならないのだが、少なくとも審査には姿形に囚われた提案ではなく、“かゆい”ところに手が届いた提案をじっくりと審査して欲しい。会場には県内の設計者が数人傍聴をしていたが、どう“あなた”は判断を下したのかを知りたい限りである。

 コンペには常に“出来レース”の噂は絶えない。発注者と審査員、審査員と業者、審査委員と審査委員、業者と業者、発注者と業者、組み合わせは無数である。誰が見ても「正しい判断だ」と言えるコンペでありたい。ウラで介在するすべてのモノを排除して、正当な闘いの中で決着できた技術提案こそ、“美辞麗句”が似合うのである。
(2012.8.28)





Copyright (C) Medianetplan Co.,Ltd. All Rights Reserved.
このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。