Home >復興のシンボル・市民との協働・須賀川らしさ、競う! 会員専用はこちら

復興のシンボル・市民との協働・須賀川らしさ、競う!
須賀川市新庁舎建設設計コンペ・ヒヤリング

 須賀川市は1日、新庁舎建設に伴う設計コンペ・公開ヒヤリングを市民温泉施設で行い、これまで同市が行った公開ヒヤリングでは過去最高の30人を超す傍聴者が席を埋めた。当社が市民参加と若き設計者の傍聴を記事やブログで呼びかけたわけではないだろうが、うれしい限りであった。(写真)

 ヒヤリングに参加したのは佐藤総合企画、石本建築設計事務所、日本設計の3者が持ち時間30分の中で発表と質疑応答を行った。佐藤総合企画は、復興のシンボル・原動力となるワンルーム4階建ての新庁舎を提案し、市民のための庁舎「みんなの家」を強調した。
特にスケルトンインフィル(コンクリートの品質を高めること)の考え方や内部の内装・家具等には地元職人の技を生かす市民との一体化をめざし彫りの深い建築を強調した。特に防災の拠点となることから各階層のオープンスペース・ワンフロアー化を重視した。また、議場を3階から4階に配置し、市民の多目的ホールとの共用も提案した。

 石本建築設計事務所は、震災の前と後では、設計に対する考え方の変化を訴え、S造4階から6階建てを基本に庁舎棟、合同庁舎棟、市民協同棟を配置、市民活動の絆を期待し「一つ屋根の下」から広がるみんなの広場を提案した。防災に当たっては、基礎免震工法を採用することで信頼性の高まりを訴えた。また、自然エネルギーを最大に活用することで最大60%削減する考え方を披露した。日本設計は、新たな時代に向かう姿を受け継ぐ須賀川型環境共生庁舎を訴え、あえて市民との協働の場を強調することで敷地の中央に配置した。免震構造を採用し市民を見守る立場から6階から7階建てを提案、最上階には議場を配置し、市民の憩いの場となるラウンジも提案した。費用対効果を念頭に省エネルギーをふんだんに採用し54%削減を実現する。庁舎は須賀川市の伝統と歴史、風土を大切にしたシンボルとなる施設を目指すことを強調した。(2012.10.01)

取材を終えて
「らしさー」創出に地元設計との企業体導入を!

 各者とも、南北に馬の背のように伸びた須賀川市の地形を意識したシンボル的存在となる庁舎を提案したが、審査委員の一人である副市長からは各者に対し、宿場町や城下町としての「須賀川らしさ」の不足を指摘された。また、委員長からは冒頭に「専門的な用語ではなく一般にもわかりやすい言葉で説明してほしい」と促されたこともあり、素人にも十分理解できたヒヤリングだった。素人目では、甲乙つけがたい「技術提案競技」となったが、副市長の「須賀川らしさ」の指摘には同感だ。これは大手の最大の弱点かもしれないが、地元らしさを入れるためにも今後は、地元設計事務所との共同企業体方式を導入すべきである。大手にはできない地形や気候、風土、そして歴史をふんだんに設計に取り込む作品を見てみたいものである。
 そして審査委員全員の審査評を公開するとともに、当落を決定づける採点までも公表すべきである。それが今後、地元の設計業者のレベルアップに繋がるばかりではなく、「設計コンペ」で囁かれる「出来レース」の根絶にも繋がる。(富田)





Copyright (C) Medianetplan Co.,Ltd. All Rights Reserved.
このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。