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どのような理由で「解体」の直面に出会うのか
NHK「クローズアップ現代」〜消えゆく歴史的建造物〜

 29日のNHK「クローズアップ現代」"消えゆく歴史的建造物 文化財保護の限界"を見た方も多かったろう。まさに日本から価値ある建築物が次々と消える運命にあることを国民に訴え、警鐘を鳴らす足がかりになる放送(写真下)だった。当ブログ11月20日付で、福島市の大工棟梁の三浦藤夫さん(三浦工匠店)の取り組みを紹介したばかりのことだが、「福島から歴史的建造物を壊すことは、福島から歴史を消すことだ」という言葉に「その通りだね」と読者から感想の電話を頂いたばかりだった。

 もはや古民家や古建造物を遺そうとする動きは、福島の問題だけではない。昨年の東日本大震災を機に全国各地で歴史的建造物が次々と解体され消えているのだ。「どんなことをしても福島から文化財級の古民家や古建築物をひとつでも遺す取り組みをしたい。古民家を遺すために四苦八苦している所有者のためにも力になりたい。そのためにも行政にモノが言え、財団や団体に支援を募る組織を作りたい」という三浦藤夫さんの言葉は、いま、そこに迫る危機となった。古民家見学が酒より好き?なだけに、共に一つの組織を立ちあげるための準備を急いでいた、そんな矢先の今回の放送である。

足かせの「文化財保護法」?

  "失われる伝統建築物をどう守るのか""「開発ありき」から古きを生かす経済""失われる伝統建築物 懐かしの町並みを守るには"等、セクションごとのテーマはさらに記事を書く上でも勉強になった。その一つのテーマとなる「どのような理由で解体の直面に出会うのか」では、現在の「文化財保護に関する税制優遇措置」が現実に対応していないこと、解体に近隣の住民が感心を示さないこと、所有者が文化財級の家を守るには負担が多く、メンテナンスの自己負担が大きいこと、さらに深刻なのが、住み手がいないことや直しても仕方がないという考え方である。「重要伝統的建造物群保存地区」でさえ、町や住民が、こうした考え方が広がり行政指導だけでは遺すことが困難になってきたと専門家は指摘する。

 建築物を守るが、生活は別だとする現在の「文化財保護法」では、所有者が家を守り、そこで生活を支えることは出来ない。「ヨーロッパ諸国に出来て、なぜ日本では出来ないのか」なのである。古き文化財を守ることが、のちのちの観光に繋がると確信できるはずなのだ。最後のテーマでは、大正時代に建築された古民家で喫茶店を営むまでの人々の取り組みが紹介されたが、まさに"開発ありき"から古きを生かす経済へ、と転換することで日本の伝統と文化がさらに艶を増し、世界へ発信されるのだと思う。「一度壊したモノは二度と元へは戻せない」その原点に立って、福島市民も歴史建造物の保護と維持に努め、世界へ「復活!福島」を発信すべきだがどうだろう。(12.11.30)

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