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被災事業者の窮状に、東京電力はもっと理解を!

慶徳総合経営センター株式会社
代表取締役税理士 慶徳 孝一

 

 東京電力福島原子力発電所の汚染水漏れ問題が、連日の新聞紙面やテレビの報道番組を賑わせております。「日本からの海産物輸入禁止」を打ち出した隣国もあり、真実が覆い隠され続けているという猪疑心が、その背景にはあります。
 "風評被害"は、真実とは相違しても"実害"として私たちを苦しめ続けております。
 
 東京電力は、福島県内で事業を営む"事業者"に対して「原子力発電所の放射能漏れ事故に伴う逸失利益に対する損害賠償」を行っており、現在もそれが続いております。当初は、比較的簡易な調査で行われてきた賠償請求も、最近ではその審査が厳しくなり、首をかしげるような"請求却下"事例を日にするようになりました。
 或る食品製造・卸・小売り業者が、放射能漏れ事故以降顧客の信頼を得るため、工場内の製造工程で使用する水を、浄水器を通して使用することを決断しその設備を敷設しました。当初の賠償請求時には「浄水器の購入費用については、賠償基準が定まっていない為支払いを保留します。」と言われ、その後、請求の都度これを請求書に載せましたが、ずっと同様の回答が続いておりました。

 しかしながら、つい最近の請求時には「請求却下」となりました。その却下理由は「福島県内の水道水については放射能漏れの影響はない"との県や市の判断が出されております。にもかかわらず敷設された浄水器は、あくまで会社側の独自な判断に基づくものであり、賠償請求としてはお認めできません。」というものです。水道水をそのまま飲んだところで、飲んでいけないほどの汚染はないということでしょうが、その水道水に対する信頼が、最終消費者まで浸透できるわけもなく、それが"風評被害"と言われるものの正体です。だから県内産品は今とてつもない窮地に追い込まれているのです。
 
 或る大手電気機械メーカーの県内工場で外注作業を請け負う事業者の賠償請求に対して、東京電力から「ご請求期間の減収と原子力発電所の事故との相当因果関係を説明する資料」を用意しろという文書が届きました。親会社からの受注額減少は本当に東京電力の事故のせいなのか?ということです。それしか考えられないので、想定される反論を書いて送ったところ今度は、「親会社から原子力発電所の事故による放射性物質による危険を懸念して、福島県での生産を回避したことがわかる資料を提出してもらえ。」という指示が来ました。ただでさえ受注額が減っているのに、そんな要求を親会社に出せるはずもありません。受け取った事業者は茫然自失の状態です。ここまで来ると事業者の手におえるはずもなく、弁護士さんにお願いせざるを得ない事例でしょう。
 最近、東京電力に対する不正請求で数名が逮捕されたという報道がありました。被災事業者を装う言語道断な行為には憤りを覚えますが、被災事業者の窮状は言葉に尽くせないものであることを、東京電力にも理解していただきたいものです。(2013/9/30)

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