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「個人保証」 偏重・慣行からの脱却

慶徳総合経営センター株式会社
代表取締役税理士 慶徳 孝一

 

 昨年12月25日に公表された「経営者保証に関するガイドライン」をご存知でしょうか。従来、日本において金融機関から融資を受ける場合には、当然のごとく自動的に連帯保証人が求められてきました。会社(事業)が破綻すると、個人保証人でもある経営者は身ぐるみはがされました。場合によっては、経営に関与していない妻子や友人までも、連帯保証人として求める風潮がありました。 しかしこれは、世界的に見ても極めて稀なことでした。世界標準は、会社や事業に対して融資するという「ノンリコースローン」です。つまり、事業の失敗は個人の失敗に及ばないというものです。 
 
 阿倍総理が成長戦略第2弾スピーチ(平成25年5月17日)で「中小企業者の個人保証」に触れ、次のようなことを表明しました。
 一つひとつの規模は小さいながらも、経済の活力の源である、ベンチャー企業への投資も極めて重要です。日本のベンチャー精神を阻んでいるものとは、何か?それは、「個人保証」の慣行です。個人保証に関する調査によれば、借り入れを行っている中小企業・小規模事業者では、およそ9割に個人保証がついています。規模の小さい事業者であれば、ほぼ必ずついているといってもいいでしょう。そして、このうちの7割は、個人資産と同じか、それを上回る金額の保証をさせられているのです。 
 一度失敗すると、すべてを失う、ということになります。これでは、再チャレンジなどできません。経営の経験やノウハウが、一度の失敗でうずもれてしまうのは、国家全体の損失と言ってもいいでしょう。ベンチャーがどんどん生まれ、投資であふれるような日本をつくるためには、「個人保証」偏重の慣行から、脱却しなければなりません。モラルハザードは防止しなければなりませんが、個人の資産と会社の資産を区分してしっかり管理しているような真面目な経営者であれば、個人保証がなくとも融資が受けられるような、中小企業・小規模事業者向け金融の新たな枠組みをつくりたいと考えています。一度や二度の失敗にへこたれることなく、むしろその経験を活かして積極的に起業していただき、新たな分野を切り拓いてもらいたいと考えています

 まずは、このガイドラインが始まりです。ガイドラインとはいっても中小企業庁と金融庁の肝煎りでスタートしたのですから、かなりの強制力を待つと期待をしております。(2014/03/28)

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