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街づくりは、"商店街づくり"ではない!
「ふくしまの旧家を活かす会」が文化財・まちづくりを視察

 福島市内を中心に昨年5月に結成した「ふくしまの旧家を活かす会」のメンバー4人で4月17日、山形県の文化財やまちづくりを視察する機会があった。米沢市・「東光酒造資料館」、上山市・「武家屋敷群」、山形市・「紅の蔵」、同・「七日町御殿堰」、そして中山町・「柏倉九ェ門家」を巡った。


山形市政は、福島市が最も学ぶべき「まちづくり」

 何処も福島市内では味わうことの出来ない佇まいで、心は安らぎ、時間は止まり、身体は遠い昔に瞬間移動した空間にいた気分に暫し浸った。東光酒造こと《小嶋本店》は1597年総業、上杉藩御用酒屋で居間も尚、400年の歴史を受け継ぐ。板の間、座敷、格子戸、太い梁、白壁・土蔵、酒樽等、時が流れても原形を保ちながら、改装復元し今に歴史を伝えている。《武家屋敷群》は、屋敷四家が並ぶ。築約200年の三輪家は20年前まで実際に住んだ生活感が改造を繰り返した痕跡に知ることが出来た。管理する方に当家の歴史を聞き、上山藩の武士達が輝きを発した1500年代に思いを馳せた。

 《紅の蔵》は,一般財団法人山形市都市振興公社が管理運営する施設だ。江戸時代、城下町を支えた紅花とともに栄えた商人長谷川家の所有する母屋と蔵5棟が市民の憩いの場となっている。「先人たちが残した歴史や文化を活かし新たな魅力を創造し、人々が集う街づくりを目指す」山形市政は、福島市が最も学ぶべき「まちづくり」の基本である。その紅の蔵からわずかな距離に4年前にオーブンした《七日町御殿堰》は、400年前に山形城主が築いた五堰のひとつで、運営管理は七日町御殿堰開発株式会社。その中心となった(株) 結城屋の結城康三代表にお話を伺うことが出来た。結城さんは「行政は、"街づくりは、商店街づくり"だと勘違いしている」と指摘した。歴史ある商人のまち山形を取り戻すこうした取り組みに、山形市の街の美しさと機能性、そして活気ある商店街は、「県都福島」が見習うべき、"活気あるまちづくり"の手法だ。

 最後に訪れた中山町の《柏倉九ェ門家》は、江戸時代に山形城下の大庄屋を勤めた屋敷で、蔵造りの「佛間」は、敷地や屋敷の広さと共に圧巻だ。さらに古美術品は全国に展示品として貸し出されている。当家の16代当主の柏倉桂子さんに2時間にわたってお話を聞くことが出来たが、旧家の維持保存と管理運営の難しさが伝わってきた。この柏倉九ェ門家を保存するのはNPO法人柏倉家文化村だが、行政との間で活動の大変さも聞くことが出来たが、何よりも当主である柏倉さんの高齢化によって、「維持管理も思うままにいかないので、町に寄付する手続きを早く進めて欲しい」と話す言葉に文化財の保存の難しさも知る機会となった。

 

取材を終えて
「文化財」個人が管理運営することに限界

 山形県内の文化財や旧家・古民家を「ふくしまの旧家を活かす会」のメンバーである三浦藤夫さん(三浦工匠店)、嶋貫倫さん(瀬上・嶋貫邸)、阿部寛さん(飯坂・なかむらや旅館)と4人で5月の見学会下見ということで訪れた。一口に「文化財・旧家・古民家を遺せ!」と有識者、専門家、著名人等は口にするが、実際に運営管理に携わる人たちの苦労は大変なものだと実感した。結城さんの「まちづくりは商店街づくりではない」という一言の重み、柏倉さんの「1日も早く寄付する手続きを進めて欲しいという切実な叫びは、共に身を持って取り組んできた人の言葉だ。

 「歴史ある建造物を壊すということは、その時代を生きた人々の歴史をも消すことと同じだ」という言葉が、今回の見学でより身に沁みた。「文化財」を個人が管理運営することの限界、行政とNPOの管理運営を巡っての板挟み等、あらためて「歴史建造物は誰のモノか」を考えさせられた。(2014/04/21付)

※参考ホームページ
■酒造資料館 東光の酒蔵
http://www.tokonosakagura.com/user_data/history.php
■上山藩武家屋敷
http://w01.tp1.jp/~a073735831/
■紅の蔵
http://www.beninokura.com/
■ 七日町御殿堰
http://gotenzeki.co.jp/
■ 柏倉九ェ門家
http://www.town.nakayama.yamagata.jp/kankoukyoukai/miru/kasiwagura.html





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