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「子どもの貧困増加」の背景にあるもの

慶徳総合経営センター株式会社
代表取締役税理士 慶徳 孝一

 「日本の子どもの6人に1人が貧困状態」といった報道を見ました。この通信をご覧の皆様にとっては 「周りを見渡してもそんな実感はない」という感想をお持ちでしょう。
 子どもの貧困をどのように計測するのかについては、様々な議論があるようですが、一般的には国際的に用いられている代表的な指標 「相対的貧困率」を利用するようです。相対的貧困率は 「貧困線を下回る可処分所得しか得られていない人の割合」と定義されておりますが、貧困線とは全世帯の可処分所得の中央値 (平均値)の半分で表されるので、可処分所得がこの貧困線に満たない世帯が相対的貧困世帯に該当します。この貧困線が近年では122万円ほどであり、可処分所得がそれを下回る世帯が年々増え続けているというのが実態のようです。(世帯収入から子どもを含む国民一人ひとりの所得を仮に計算し、順番に並べたとき、真ん中の人の額(中央値)の半分(貧困線)に満たない人の割合。子どもの貧困率は、18歳未満でこの貧困線に届かない人の割合を指す。今回の調査では中央値244万円、貧困線は122万円。)
 
 子どもの貧困が増加している背景として真っ先に思い浮かぶのは子育て世代の非正規雇用者割合の増加です。1990年の20.2%。から2015年には37.6%まで増加しております。正社員の平均年収に対し、非正社員 (フルタイム)でおよそ半分、パートタイムに至っては4分の1以下です。親の経済格差が子の教育機会の格差につながり、十分な教育を受けられなかった子が職を得ても低い賃金を余儀なくされるという、貧困の連鎖が生じていることが予想されます。
 貧困層に向けた支援のあり方は簡単ではありません。親の就労支援、住環境に対する支援から始まり、公的教育支出も大幅に見直していく必要があります。子供の貧困対策を放置した場合の社会的損失 (貧困の連鎖)を考えれば、何か手を打つべき時期に来ていると言えます。(2016/09/20)

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