経営の賢さ“イン”しますか?

2000.10


 ある民間信用調査機関がまとめた県内の法人所得ランキングが一般紙上で発表になった。所得4000万以上の会社が771社、その額も1626億円に達し4年ぶりに増加したとの報道。中でも建設業は163社と製造業に次いで2位の多さだが、建設関連業者を含めるとその数はざっと見ても全体の5割近く占めるほどの数になる。それだけにどの企業も建設産業とは大きな関わりを持ち文字通り、建設業は“県内の基幹産業”なのだ。

 その番付の“雄”は佐藤工業の14億3878億円、次いで庄司建設工業の12億4202億円で大東銀行、県労働金庫、福島信用金庫などの金融機関と肩を並べる。締めの4000万円台には安藤組(福島)の4040万円や菅野建設(福島)の4035万円などの顔も見える。4社いずれも県内を代表する県建設業協会の優良会員である。ランクついでに、本誌・建設メディアがまとめた9月号の経審ランク(建築部門)では佐藤・1117点、庄司・1054点、菅野・982点、安藤・981点とこちらは互いに接近する県内上位の優良企業だ。さらに総合完成工事高(福島建設工業新聞・2000年7月まとめ)を見れば、佐藤・211億2497万円、庄司・120億9583万円と別格だが、菅野・36億7283万円、安藤・22億634万円は堅実な完工高を残している。法人所得、経審、完工高のそれぞれのランクからこの4社をどう分析比較するかは読者諸氏にお任せするとするが、多かれ少なかれランクインそれぞれの会社にも悩みはある。

 この4社以外に建設業だけでも残り159社がランクインしているわけだが、新聞に目を落とし「え!、この会社が・・」「あらー、こんなにかよ〜」と驚く会社が実に多い。何を根拠にこんなに利益が出たのか、出したのかを覗き見したい心境だ。何も儲けた一部を国に堂々と納めることに文句をつけるつもりは毛頭ない。だが、経営者自らが内部努力を怠っていないかを反省する必要がある。ある社長は「全部税理士に任せてある」という。また「経理担当役員に任せている」という経営者もいる。“外部の圧力”をはねつける力を身につけないから、常に数字というマジックに翻弄され、言いなりな決算書を作ってしまう無責任な経営者となってはいないか。
 特に「社内整備にもっと資金を投下できたのではないのか」、「人という財産(人財)にもっと金をかけるべきではなかったか」など決算書提出を前にそうした努力を惜しんではならないのだ。
  経営者がいつも「あの会社も所得番付に載ったから、 今年も載らないとカッコつかない」いう横並びの経営感覚や見栄だけなら、社員が黙って流した汗はどこに報われよう。もし、“経営者の賢さランク”なるものがあったら、あなたは“ランクイン”しますか? (200.10)