営業マンとは、経営者とは。

2000.12


 小生の30年に及ぶ“営業人生”の中で常に教訓となってたのが「1.眼 2.足 3.肝 4.力」(イチガン、ニソク、サンカン、シリキと読む)の言葉である。この「営業4訓」がこれまでの自らの営業を支え、営業にのめり、営業を愛する人間となった。人と会うことの楽しさ、契約できたときの興奮、破棄された悔しさ、それらすべてが肉となり血となって、30年という道のりを淡々とあった。
 その支えとなった「イチガン、ニソク、サンカン、シリキ」を営業に悩む君に捧げよう。

 イチに目の付け所を見極めること。ー今日はどの会社を回るのかをキチンと決めることだ。どこという当てもなくただ飛び出びだしても何の棒にも当たらない。ターゲットをしつかりと研究しデータを分析することだ。
 ニに足でこまめに歩くこと。ー分析やデータが揃ったら誰よりも早く出社し計画的に多くのお客様を訪問すること。現代の武器である電話やファックス、パソコンを活用するのは相手の顔が見えてからでも十分だ。
  サンに相手に呑まれないこと。ー社長であれ、担当者であれ相手の言いなりで、その場を引き下がるような肝っ玉では営業マンではない。
 シに実力が勝負であること。ー目を付け、足で歩き、肝が座われぱ、日頃の努力、気力、迫力があれば・いざ!鎌倉・で、実力が発揮できるのである。

 しかし営業は“誰にでも出来る仕事”ではない。不向きな人間だっている。人の心が掴めない。相手の懐に飛び込めない。相手の身になれない。損得でしかつき合えない。自分の立場でしか言えない。極めつけは「今日は寒いですね」とか「娘さん、どうしました?」などの日常会話が普段からできないとか、データ分析、開発研究、計算が苦手だとか、自分ができないのを論説、解説して逃れる人、出不精だったりする人はもちろん論外。

 よく経営者は営業マンの日常行動を厳しくチェックしたがりますが、それは不可能というべきだ。営業は常に数字・実績との戦いであり、年間目標を定めたら半期、半期の目標を決め、さらに毎月の目標を定め実行していく。それが出来なければそれなりの制裁が科せられるのが営業なのです。その変わりに営業マンは会社の“外交官”であるという特権意識を与えなければなりません。「営業があって会社は成り立つ」ことを全社員に理解させ、全業種トップの報酬を与えなければ営業など誰もやりたがらない職種である。「営業はどこで遊んでいようと、いつ休もうと文句は言わないぞ!」と経営者が腹をくくれば、営業マンは3倍働くはずだ。営業には“誇りと名誉”“自由と制裁”を経営者は常に握っていることを認識すべきだ。

 「今度、当社ではこんな商品を開発したんですが、なかなか売れないんですよ」と言う話をよく聞く。売れないのではないく、売ってないだけの話しだ。「造れば売れるだろう」という考えはどの経営者にもある思い上がり。「どうしたら売れるのか」「どこに売ったら売れるのか」「誰に売らせるのか」といったコンセプトが経営者自身にないのは、それを“売る”という営業体験がないからである。
 どんな立派な商品を造ってもそれを売る人間がいなければ、それは経営者の自己満足な「作品」に過ぎない。「造れば売れる」そんなバブル期のような時代は待てど、来やしません。まして電話、ファックス、パソコン、ケータイなど次々と文明の利器が登場する時代になればなるほど、人は人の心の温かさを求め、人とのふれあいを大切にします。日本がどんなIT社会に変わろうと、人はフェース&フェースの商売を裏切ることはない。

 営業マンの皆さん!営業の原点はいつの時代も、どこでも「ねえ〜○○君、この子犬の貰い手探してょー」という全く仕事とは関わりのない奥さんの“お願い事”の解決から始まるのです。そして経営者の皆さん!内勤者という身近な人間を温存し、営業担当者をいつしか粗末に扱ってませんか? (2000.12)