懲りない雪印を我が身に

主幹 富田正廣


 何とまぁ!今度は牛肉の箱詰替え事件と懲りない 「雪印」。こんな企業グループがよくもまぁここまで生き残ってこられたものだ。これもずさんな国の管理体制や制度にも問題ありだが、どんな法律や制度にも抜け道はあって、それを悪用するかしないかは企業の倫理、人間の問題意識だ。
 思わぬところで雪印の悪行の一覧をインターネットで発見、その多さに驚いた。ちょっと挙げて見るだけでも、低脂肪乳でおう吐、バルブ全面 汚染、食中毒、タンク洗浄マニュアル無視、のむヨーグルトで発症、返品再利用、バターから異臭、食中毒で女性死亡、タンクの温度記録なし、原料の品質期限超過チーズ、原料の脱脂粉乳から毒素、チーズに虫混入などあげたらきりがない。これが食品を扱う企業だと誰が信じられるか。
 そのたびに社長の引責辞任、立ち入り検査、操業停止、工場閉鎖、営業停止、製造中止、改善計画、家宅捜査を繰り返してきた。無責任な経営者に交代するたびに社員の会社へ対する信頼感、誇りは消え失せ、最近では1300人のリストラと踏んだり蹴ったりだ。どんなに頭(社長)が変わっても会社の体質が変わらない限り同じ事を繰り返すのが企業だ。そして末端で雪印を支えてきた牛乳販売店の店主が悔し泣きして店を閉めていく姿に「企業の責任」を痛感したのはついこの間のことだ。今回も事実関係をあっさりと認め謝罪会見する経営者らの姿にあきれるばかりだ。
 これを対岸の火事として見ていた建設業界の社長はいないだろう。社員も「同じだなぁー」と感じ取っただろうか。繰り返される「談合」に何を感じただろうか。新聞社へのたれこみ、誓約書、官・業とも事実関係無し、再入札、公正取引委員会の立ち入り、課徴金、贈収賄、予定価格、そんな言葉が次々と並ぶあたりも雪印と酷似してはいないか。そうした体質からの脱却は、政・官・業の凛とした姿勢にしかない。業界だけが取り組んでも解決することではない。一方的な法規や制度を施行する行政でも、事が起きてからばかりの後手立法を制定する政治でもダメなのである。

 建設業者もまた雪印のような同じ過ちを繰り返し、懲りない面 々で会社を経営したり、組織にいたのでは、社会から、市民からいつか必ずツケは支払わされる。いま建設業界に何が一番足りないかー、それは市民からの支持である。新聞やテレビで悪行として騒がれることは、常に冷ややかな目で見られていることに気づかなければならない。以前、建設業を色で表すと何色?という質問を一般 の人にしたことがある。どの人も黒か灰色と答えた。それはなぜ?とさらに聞くと「新聞やテレビから来るイメージ」と答えた。だが身近な人にはそんな人はいないと答えるのだ。企業のイメージは悪くても、地元では良い人なのである。今度は企業として、市民とともに何ができるか、市民は建設業に何を求めてるのかを全力で見つけようではないか。「懲りない雪印」を我が身と受け止めながら。
                         (2002・1・23)