ムネオもコウイチも要らない

            主幹 富田正廣


 鈴木宗男と加藤紘一を自民党はセット同様に離党させることで国民の真意に応えた。地元利益誘導型の政治屋というべき鈴木宗男はさておき、自分の秘書の不始末さえ逃げ切りを謀ろうとした加藤紘一はすでに国民の信頼を失った。2000年11月の総裁選の時でさえ、自分可愛さで自民党を離党することもできなかった。敵前逃亡とまで言われた政治家が今回も自分の責任をまず転嫁し政治家としての責任さえ「自民党に委ねたい」とまた歯切れが悪かった。
 東大出のエリート議員と山猿のような鈴木宗男とは格式は違うだろうが、ダメ議員としては50歩100歩だ。我田引水の鈴木宗男、味噌にも糞にもならないのは加藤紘一と言わざるを得ない。鈴木宗男的政治屋が目指す大物政治屋は過去に田中角栄がいたし、加藤紘一的政治家が目指した大物政治家は池田勇人や佐藤栄作など多くいた。だがともに21世紀には通 じない政治家(屋)のタイプとなった。加藤は次期総裁だ、総理だと周りから持ち上げられた人間だが、結局、自分で自分の引き際さえ決断できない政治家に陥った。宗男も一票を金に換え、自分の利益につながる仕事しかしてこなかった政治屋にこの国の舵取り役など任せられるわけがない。まして、あの涙の裏には政治家としてのプライドより、政治屋としての悔しさしか見えないのだ。
 もう日本の政治に自己利益や自己満足で終わるような政治家は必要ない。我々も人気タレント議員や野次馬な政治評論家などを国会に出すような国民レベルであってはならない。日本の政治外交は、本当の意味の先進国の国際レベルに追いつけない現実がある。過去の湾岸戦争、昨年の米国多発テロ事件、それ以降に起きる国際紛争やテロ事件にもゴテゴテの日本政治である。そんな時も国内では、ムネオとコウイチに振り回され、最近では、ムネオに食いついた社民党の辻元問題が浮上し国際問題などそっちのけだ。数週間後に迫ったサッカーワールドカップもしかりだ。韓国のテロ対策は万全なまでに訓練を繰りかえしているのに対し、日本の対策はどうなっているのか理解できない。小泉総理は国際テロに対する危機管理もまた国内の騒動同様に米国任せ、韓国任せで終わるのか。全くすべてに無責任な国である。
 そんな無責任なのは国だけでない。一般企業も同じだ。最近の雪印ブランドからは始まったあらゆる企業トップ経営者の無責任さはいったい何なのか。白髪頭とハゲ頭がずらっと並んで、深々と頭を下げるお詫び会見はあの山一証券の破たん以来茶番劇としか言いようがない。いつも犠牲になるのは弱い人間からである。雪印食品は社員をリストラする前に、パート1000人を先に解雇し延命策を講じたが、そのブランド名も会社も消え、経営者としての責任とモラルはどこに存在したのだろうか。経営者たるものはまず身をもって示すことだ。経営不振に陥ったらまず我が身を戒めなければならない。経営が悪化するたびに社員や実戦部隊に転嫁する経営者が実に多い。どんなときもエリートでいたいコウイチタイプの経営者の企業寿命はすでに見え、嘘つき虚像のムネオタイプの会社はいつ破滅するかわからない。新しい日本をつくるにも企業をつくるにも、時代にあったスピードとスマートさ、そしてクリーンさがなければ国民はもう許さない。(敬称は省略させていただきました)2002・3