まちづくりYさん、川越の驚き。

            主幹 富田正廣


 どの街も深刻化する中心市街地の空洞化問題。郊外に流れる顧客、その結果 地元の商店街の空き店舗は深刻だ。久しぶりに白河を訪ねたが、白河市の繁華街もまた福島市同様に一抹の寂しさは拭えない。友人が市内で雑貨商を営むYさんを紹介してくれた。まちづくりを真剣に考えるYさんは小生同様に戦後生まれの団塊の世代だ。人生50年を生きても甘い時代に生きてきた年代だ。苦しさといえば、戦後の食料事情の悪さを数年味わった程度であり、あとは経済成長に合わせひとつ一つが驚きの連続だった。インスタントラーメンを始めて食った日、ふりかけを始めてご飯にまぶした日、ソーセージを丸ごとかじった日、コーラを始めて飲んだ日、テレビを始めて見た日、すべてが生活様式の豊かさとともに、右肩上がりの日本経済で何不自由のない人生を送ってきた。そのわれわれ団塊の世代が「何か世のため、人のために役立つことをしなくてはー」という盛り上がった話しからYさんに白河のまちづくりや考え方を聞くことができた。
 人口4万8000人の史跡や歴史に包まれたマチ白河。その白河の街並みがいまダメになってきたという。Yさんは以前訪ねた川越のマチにある驚きをもった。マチの良さにはひとつの法則がある。「他人、よその人が良いマチだ言うことで、国内から人が見に来て、外国人が来てだんだん有名になっていく」という法則だ。もうひとつは「オンリーワンであること。偽物を使わない本物志向であること」だという。多くの人が観光地として来れば、お金を落としてくれる。地元の産物が売れて有名になる。観光客に外国人がいることは観光地として成功させるものがある」というのも学んだ。マチの電線地中化も行政に頼らず実行するのは民間人、やっいる人達も中途半端ではないことを知った。これがYさんの川越の驚きだった。「特産物も人間も地元で生産し地元で消費することがまちづくりの一歩で、人も白河で育って欲しいと思うし、我々の次の世代も同様に育ってもらわないとマチは発展しない。それにはやっぱり住んで生きるためには年収がネックになる。定着するには川越のような観光地にしたい」とマチおこしに夢を馳せるYさんだ。だが白河のマチもイトーヨーカドーの撤退や宝酒造が一年以内には撤退する気配や、地元の老舗企業も経営が危ういとの話しもあり、マチの活性化に水をさす動きすらある。Yさんは冗談ながらもカジノをやるとか、白河はお寺が多いからお寺めぐりでマチおこしをするとか、もっとクリエティブなことをやらなければマチの活性化には火がつかないと断言する。
 建物ひとつにしても、また人間と共に後世に伝え残すべきマチの財産である。「建物は本物志向で造れば後世に残る。いつまでもゴミになるように建物を造っているようではダメ」と手厳しかった。その担い手となるべき地元建設業者も不況の真っ直中にある。阿武隈川の「平成の大改修」や「災害復旧工事」もほぼ終わったが、市内ではすでに会社を畳むという噂の建設業者や社内のゴタゴタで倒産に陥る会社もあるとかで、いよいよ県南の業者に冷たい風が吹こうとしている。川越のような本物志向のまちづくりを知れば、業者もまた会社づくりはYさんがいうように「種まきから始まる」時代なのである。《写 真は白河小峰城(白河市ホームページより)》  (2002.4.22)