観光地を結ぶ道路整備を急げ!

            主幹 富田正廣


 久しぶりに南会津地方に出た。会津若松市、下郷町を経て田島町に入るがまったく工事らしき物件は見あたらない。昨年10月に訪れて以来の長距離だが、自然でなにひとつ変わることのない風景が続き、南郷村を経て只見町へと入る。南郷村を走る国道289号線沿いでやっと道路改良工事の現場に出会う。「国道289号線と252号線は南会津地方の生命線だ。何としても観光ルートに結びつける道路にしないと町の活性化にならないばかりか、我々にとっても死活問題だ」と言っていた地元の社長の言葉を思い起こす。まさに国道工事の有無は地元建設業者にとってはアキレス腱である。昨年からでも只見工業(只見町)、旭総合開発(下郷町)といった地域の要なる企業の倒産が相次ぎ、建設業界の環境の厳しさは衰えることはない。

 ほどなくして明るいニュースが飛び込んできた。この地方を訪れた一週間後に「国道252号雪国ゆめ街道」早期整備を実現させる期成同盟会(会長・桜井新参議院員)が発足した。構成する18市町村の首長や只見町、新潟県入広瀬村の住民も参加して決起大会が行われた。県境付近の六十里越の工事が実現すれば地元業者も潤うことは確かである。何と言っても冬期間の通 行止めの解消と短縮で新潟ー奧会津の新観光ルートとして開通すれば新財源の確保が保証され、沿線市町村はもちろん観光地としての物産物で地元住民が潤うのも夢ではない。
 大会会場となった只見町の季の郷「湯ら里」は300人が収容できる大会議室を備えた交流コミュニケーション施設でもある。平日でも埼玉 ・千葉・神奈川といった関東圏からの泊まり客も多いと聞く。都会の住人は奧会津の自然を求めて会津地方へとやって来る。これも道路網の整備のおかげだ。観光地と道路は当然切り離せない両輪のようなもの。マチが観光で潤うことは当然、地元建設業者も潤うことになる。
 「いま、町の当初予算は最盛期の半分になった。町の予算で建設業者を支えるのは容易ではない。どうしても国や県の工事が出ないと業者は食っていけない。本来ならこの町の業者のうち3社は今年の建設投資額から言えば食えないんですよ」とある役場職員はこう話した。観光向け公共施設の充実と主要道路整備の拡充は地元業者存続の上からも早期に取り組むべき重要課題だ。助け合う事だけではどうにもならない。
                            (2002.5.17)