顧客満足度、その真実の瞬間とは

            主幹 富田正廣


 「ある町の国道沿いで200メートル離れるか離れないかの場所に2件のコンビニがある。だが何故か一方のコンビニだけが売れているという。双方を覗いて見ても店内の雰囲気は同じように明るく、店員の接客態度もマニュアル通 りに指導されハキハキ、テキパキだ。店内の商品の展示方法も値段も全く差がない。それなのになぜ片方のコンビニだけが売れるのだろうか」とセミナーの講師が参加者に質問した。ある参加者は「店内に入った瞬間の雰囲気」と答えた。「これだけ同じコンビニなら、それしかないなー」と誰でも思うことである。その講師は「そうではない」と答えた。
 私たちはどのコンビニでも金太郎飴のように「いらっしゃいませ!」から「ありがとうございました!」までベルトコンベアの上に乗ったような感じで買い物を済ませてくる。これもすべて完璧なマニュアルがあるおかげである。特に悪い印象を受けたコンビニに出会ったことはまずない。だが講師は「そうではない」と言って、真の顧客満足を疑う瞬間があるのを思い出させた。その「真実の瞬間」とは正にあの一瞬の差であった。
 どのコンビニも店主以外はほとんどが高校生や大学生、そしてフリーターなるアルバイトである。とくに若い女の子がいる店の雰囲気は明るく中年のオジさんにはたまらない。
 「いらっしゃいませ!お買いあげ1280円で〜す」と言われるがまま、お金をその彼女に渡し、釣り銭を貰うその一瞬が正に売上げを左右する「真実の瞬間」があった。その彼女〔中年のオジさんの手になんかに触れたくない〕と無意識のうちにも釣り銭を掌にポンと弾むように置く。それが何故か「ム!」とする一瞬を味わった読者も多いだろう。だが、その差し出した手を下から支えるように添えられ、掌にそっと釣り銭が載せられ「ありがとうございました」と渡されたら、それは本当に気持ちがいいものだ。次回も同じものを買うとしたら当然気持ちのよい店、すなわち「顧客の満足を満たす店」に入るのが人情というものである。

 コンビニ戦争はたしかにこんな一瞬さえ見逃すことができないほど「真の顧客満足」が求められているのだが、われわれ業界はどうだろう。建設業はクレーム産業だと自ら諦めてはいないか。公共工事が先細りする現在、民間工事で生き残りを賭けるのなら「顧客満足」に耳を傾けるだけの会社の「体質改善」や「外科手術」が必要ではないのだろうか。
 いま、あなたがマイホームを建築中だったらこんな疑問を持つはずである。
 1.不満を建築会社の誰に言ったらいいのか
 (担当者か、会社か、設計士か、営業担当か)
 2.現場がどこまで進んでいるのかわからない
 3.最初のイメージとは大夫違う(特に水回り)
 4.現場が信じられない(何をやっているのかわからない) その対策を講じてはじめて民間工事で生き残れる会社、売上げの伸びる会社に成長するのである。真の顧客満足とは結局はどこまで相手の身になった仕事ができるかである。
 え!、1番から4番までの答え?それはぜひ、建設メディア「MEDIA」が主催するセミナーに一度参加して当方の講師に耳を傾けてみませんか。そこに「真実の答え」が見えるはずです。(2002.7.31)