どこにある随意契約の真相!

            主幹 富田正廣


 5月10日更新のトップでも触れた福島市の「子どもの夢を育む施設」随契約問題が20日開かれた福島市議会総務常任委員会でも大きな問題として取り上げられたのは、市民の立場から見れば、至極当然のことだ。図書閲覧には29社が確認に来ているのに、箱を開いたら「1企業体」の参加しかなかったかという事実は何を物語っているのかである。

 建設業者の母体とも言うべき(社)福島県建設業協会は、5月に開かれた通常総会で「地元でできる仕事は地元業者の手で」を強調し、地元業者にも高い技術があると訴えた。その根底には「できる限り公共工事は地元発注にして欲しい」ということであろう。
 ーだのにである。その地元業者がことごとく、参加手続きをしなかったということは、わずか4階建て、延べ1万平米以内の仕事も“地元ではできなかった仕事”であったということにほかならない。それでなければ「仕事がないから、もっと公共工事を増やして欲しい」といった陳情や要望は何の意味も持たないからである。本当に仕事がないのなら当然、殺到するハズであり、取る、取れないは別にしても参加するハズである。

 もっと問題なのは発注者側の姿勢である。「何を根拠として即座に随意契約にしてしまったか」である。市側は工事の遅れをあげたが、これまでにも再入札や不履行になった事例はいくつもある。だが工事が遅れたという話しは聞いたことがない。それもオープンは2年後である。高い技術力と安定した経営能力のある企業なら、工期も乗り切れるのではないのか。発注者側が随意契約とした意図は本当はどこにあるのか、市民なら本音を知りたいところだ。

 発注者側にも受注者側にも多くの疑問が残る。建設業界には業界のしきたりやルールがある。だが、そのしきたりやルールに行政も乗ったとしたら、行政は本当の意味の市民の奉仕者とは言えない。また議会は行政の誤りを正し、行政の監視者でなければならない。新議長となった横山俊邦氏は「市民のために議会と行政があるという原点を忘れないで欲しい」と語っている。議会側は市民が主役である行政をめざして、今後も追求の手を緩めてはならない。業者も主役である市民の目が光っていることを忘れてはならない。

 福島市のホームページは22日現在で、71万回以上のアクセス数がある。これだけ市民の関心が高まる中で、ホームページの存在は大きい。市は市民のための情報を克明に提供している反面、議会でこうした問題が取り上げられたことについてもきちんとした情報を提供してこそ、真の奉仕者と言えるのではないのか。市側の適切な回答を期待する。(2003.6.22)