入札制度の改革者は市民?

            主幹 富田正廣


 前回、福島市発注工事の「子どもの夢を育む施設」随契約問題に触れだが、結局のところ入札は中止され、随意契約となり、6月定例市議会で可決された。その時に問題となったのが、「この仕事がないときに、参加企業体が1JVしかなかった」という、摩訶不思議な現実だった。到底、一般市民には理解できないことであった。最終的に契約金は26億363万2500円。契約率(落札率?)は99.6%だった。また、NHK福島放送会館との共同施工となったことから、随意契約でも2億1400万円がコスト削減されると試算した。だが「我々の税金が適正に使われたの?」という一般市民の声が、耳元で聞こえそうである。

 そんな矢先、北海道・東北の市民オンプズマンが岩手大学で開いた「市民フォーラム」
で、ある調査報告を目にした。これは公共工事の予定価格に対する落札価格の比率を示す「落札率について」のことだ。宮城県を除く東北16自治体の1億円以上の平均落札率は95%前後を推移して、まだまだ競争性が薄い実態を示しているのに対し、宮城県は入札制度の改革を進めた結果、約86.8%まで下がったという。そのほかの15自治体の平均落札率は高いところで約98.5%、低いところでも92.2%と競争性が極端に失われているという結果である。県内自治体の落札率を見ても、本県はまだまだ前者に近いといっていいだろう。
 また宮城県は2002年度の1000万円以上の工事で郵送による一般競争入札を採用したところ、落札率が昨年より7ポイントさがり平均82%となったという。担当者が「落札率が下がったほか、業者が県庁に足を運ぶ手間や庁内の事務手続きの負担が減った」こと、などの利点を上げ、他の自治体にも入札制度改革はさらに必要であることを訴えた。

 比較するにはどうかと思うが、アメリカ大リーグのイチロー選手でさえ打率は3割ちょっとである。すごい技巧派の選手でさえ10本打っても3本のヒットなのである。試験でさえ毎回、98点や92点をとる事など神業に近い。馬券的中より神業的な「算出法」を編み出している業界は、ますます苦しい立場に立たされる。

 発注者と受注者の間に公取委という「公」の介入と市民オンブズマンという「大衆」が監視役として登場してきたことによって、これまでとはまったく違う入札制度が確立されていく。好むと好まざるとに関わりなく入札制度の改革者は市民の手に委ねられてきたのだ。(2003.7.4)