不況や冷夏に強い建設業を!

            主幹 富田正廣


 新盆、親戚縁者の盆供養など、盆中は慌ただしい毎日だった読者も多いことだろう。お盆も終わってみれば、これが何と冷夏の毎日だった。このままだと“夏はいつ来てー、いつ去って行ったー"のかさえ分からずじまいの年になりそうだ。

 米もこのままでは「不稔」とかで、不作の警戒警報中だし、自慢の「福島の桃」も甘みがいまひとつで、盆前に送った知人からも「旨かったよ!」の一押し声が聞けなかったのが残念。桃だけではなく、海も山も「夏は来ず」でどこも最低の人出となった。海水浴場では、平年の5分の1だとかで、呆れ顔の店主の顔だけが青かった。各地の夏祭りも中止が相次ぎ、家族連れのにぎやかな声や若い女性の黄色い声も、セミ同様に‘一鳴き’で消えた。福島の「花火大会」も雨にたたられ、大輪の花は霞んだし、「中止だろう?」と思い込むほどの「灯籠流し」も強行、強雨に打たれ“先祖の灯”も慌ただしく阿武隈川に消えた。「最低だったよ〜」の声がこだました福島市の「わらじ祭り」も踊るアホウに見るアホウを泣かせたきりの2日間。“夏祭りの要”である「企業寄付金」も、ビルの谷間にこだますることなく、平成15年の夏をさらにグレーに彩ったようだ。

 日本列島各地の冷夏も同じ。“炎天下の甲子園”も“傘地蔵の甲子園”に様変わり。ちょっとだけ『熱闘』に燃えたのが福井商業とPL学園の試合。いつ終わったか、見逃したのが本県代表の試合だが、結果は初戦敗退で今年も甲子園に校歌は流れなかった。18日現在でも、まだベスト8も揃わない事態に関係者の額に冷たい汗が・・。それでもこの夏の暑さを全部集めたような東北高校と常総学院の決勝戦は格別。白河関はまだ遠かったか。“熱闘”のウラでは、山や水の事故も相次いだ。昨年より減ったとは言え、交通事故死者は全国で213人が尊い命を落とした。先祖供養が一瞬にして家族の悲劇となる。悲劇はそれだけではない。不況のあおりで、盆中も犯罪や自殺も多発した。年間3万人を突破する自殺者は、冷夏が一層“拍車”を賭けそうな気配である。何とかしてくれ!小泉総理。

 長雨による土砂崩れや水害も全国で発生した。県内でも盆明け早々、裏磐梯で作業員2人が土砂に呑み込まれた。家族や親戚らと楽しいお盆を過ごしたであろうに。建設業者には散々な年である。倒産や廃業に追い込まれるばかりか、命まで奪われるとは。さらに県建設業協会員が主体である「県建設業厚生年金基金からの離脱」が決定した。会員の9割以上が解散に同意した建設業の危機に県や国はどう受け止め対処するのか。また業者の集団脱退は、護送船団方式を取ってきた建設業の生き方に何をもたらすのか。福祉介護分野、リフォーム分野への進出強化で業者の道は本当に開けるのか。いまこそ、「産・学・官」連携や交流、そして融合と共同研究に全神経を注いでこそ新・建設産業が構築できる。一企業、一企業の新しい経営学が新しい建設産業を産みだしていく。「集」から「個」へー、不況や冷夏に左右されない強い建設業に生まれ変わるにはこれしかない。(2003.8.22)