若者に特化したまちづくりを!

            主幹 富田正廣


 お歳暮のシーズンを迎えた。今年もあっという間の一年が過ぎ、残すところ後わずかである。福島市内に住みながら休日の福島駅前繁華街に足を踏み入れるのは月に何度もない。それだけ用がなくなったとも言える。車社会が全国地方の“駅前”を変えてから魅力のないマチが続いている。福島駅前も同じである。確かに駅前には自転車の乗り入れも復活し、100円の循環バスも登場した。だが、それだけで魅力あるマチが復活したとは言いがたい。老舗デパートに入っても人はマバラである。お歳暮コーナーは休日だというのに予想をはるかに裏切り、“買い物予定時間”を十分持て余してしまった。(写真=活性化同様に暗雲漂うある日の福島駅前)

 それに引き替え、北矢野目の福島サティー付近や西道路沿いのヨークベニマル西店界隈は、なぜこんなに混むのかと思うほど、車の長蛇の列が続く。親子連れ、家族連れで溢れている。それは駅前の繁華街の部類ではない。仲間と出会って星やネオン輝くショーウインドウを眺めたり、お茶を飲んだりするといった“流れで歩く”要素には無縁である。
 ♪♪待ち合わせて歩く銀座〜、灯ともすころ恋の銀座〜♪♪
と、遠い昔に山内賢と和泉雅子が唱ってヒットした頃の“歩くだけで楽しくなる”街並みは、今では都会でしか味わえなくなった。
 福島駅前も街に活気を呼び戻すイベントが増えてきた。“まちなか広場”でも多彩な催しはあるが、街に若者が溢れることはない。若者が集まる場所は必ず継続的に人やモノで溢れる。まずは空き店舗を若者に貸し出す、マチのど真ん中に大きなディスコをつくる、カジノをつくる、娯楽場をつくることだ。あれもダメ、これもダメと規制の枠から抜け出せないのでは何をやってもダメだ。

 福島駅前には、回帰現象なるものが現れた。どこを見てもマンション建築だけが目立つ。郊外の家を売って、老後は生活に便利なマチ場に住むという夫婦が多くなった。曽根田町には県内最大の有料老人ホームの建築が始まる。マチ場に住むことは、生活には何かと便利だが、繁華街という街の構成から言ったらどうだろう。大型マンションや老人ホームが土地の安さから大手デベロッパーにことごとく買い占められ、建築されたら“待ち合わせて歩く銀座”どころではない。国は駅前に大店舗進出を許したが、空洞化で今度はサッサと大店舗が姿を消した。残ったのは地元商店街の空き店舗だけ。その間、老舗といわれた店は、ことごと櫛の歯が欠けたようにシャッターを閉じた。終わってみれば街は壊され何も残らない。同じことが何十年後にマンションも高級老人ホームもガラ空きとなって、第二の大店舗現象が起きるかも知れない。

 駅前繁華街は、勤労後の人々の安らぎの場であり、一日を心を豊かにする場である。若者は恋を語り合い、家族は絆を深める場でもある。何に付けても高齢化社会だけが大きく取り上げられる世の中だが、もっともっと若者達に夢と希望を与えるまちづくりに特化しても損はない。若者で溢れてこそ街の再生は図られ、高齢化社会も語られる。まずはライバル郡山市が「実情に合った駐車場特別料金を設定」で今度「構造改革特区」となった。瀬戸市長もまずは繁華街の「駐車料金無料化特区」を考えてみてはいかがか。(2003.12.8)