建設業者よ、荒廃した農業を救い給え!

            主幹 富田正廣


  福島県の公共事業が5年連続で減り続けていることが、公共事業施行対策東北地方協議会(事務局=国土交通省東北地方整備局企画部)の20日発表で分かった。建設業者にとっては、今後もますます深刻な問題になりそうだ。国、県、市町村などすべての公共事業で4459億円は多いのか、少ないのかはピンとこないが、それでも本県は東北ではトップの事業量を誇っている。それでも県内は平成10年度の9850億円がピークだったから、その時から比べれば、実に45%にまで減ったわけである。この事態は建設業界ばかりではなく、県内の経済に与える影響の大きさを懸念する声も上がって当然である。地元新聞には「新分野進出やベンチャー育成の取り組みに積極的に支援したい」という県土木部の悠長なコメントがでていたが、首を傾げたいくらいである。また国土交通省は、「実に中小・中堅建設業者の約45%が環境や福祉の分野に進出している」と、業者の実態を発表したが、その一方で「総売上高の8割を占める専業業者も82%いる」など、本業に依存する度合いの大きさも浮き彫りとなった。

 業者の新分野進出とあわせ、企業合併も大きな問題となる。会津地方では(社)県建設業協会員の南会工業(只見町)と西部建設(会津若松市)が4月1日をメドに合併に踏み切った。会員同士はこれでやっと3例目である。この合併も県南土建工業(白河市)同様に赤の他人との合併ではなく、身内の合併である。この合併で受注機会を増やし、テリトリーを拡大したことは大きなメリットだが、受注額が1+1=3、もしくは1+2=5になれば正解である。ーでなければ、結局は社員の人減らしでしかない。
 新分野進出も合併も、社員のリストラ(ここでは解雇)にも通じることだ。ある建設会社では、現場がまだ途中だというのに、30代の一級建築士の免許を持つ社員が突然、介護分野に回されて、「仕事がないから俺に会社を辞めろということでしょう」と現場で話したとたんに、「あの会社があぶないぞ!」という噂まで立つ始末だ。異業種進出は、下手をすると社員の“プライド”ばかりか、会社の信用にまで傷をつけかねない。

 これは持論だが、新分野進出であれ、合併であれ、将来は農業分野への進出を進めたい。社員はどの会社にも農家出身が3割〜4割は占めているはずだ。地方に行けば行くほどその割合は大きい。そして法人化で社員に夢と希望を与えることだ。「私を農業分野へ行かせて下さい!」と胸を張って送り出せる分野進出であって欲しい。日本の食料自給率100%めざして建設業者よ、荒廃した農業を救い給え!(2004.3.22)