佐藤県政5期目の「焦点、視点」とは

            主幹 富田正廣


 アテネオリンピックや高校野球と連日のように選手が活躍するシーンに、テレビの前に釘付けの毎日で、9月5日の投票用紙が家に届いてはじめて、「あ〜、知事選だったか」と気づく人も多いだろう。県民の関心はいまひとつで、選挙をする「焦点・視点」が見あたらないのではないか。これまでの佐藤県政4期の歩みは、今年2月に行われた“新春の集い”で配布された『福島の時代−佐藤県政15年の歩み−』で詳しく語られている。
 巻頭では「20世紀をリードしてきた経済の倫理や競争の原理を推進する『ひとり勝ち社会』ではなく、21世紀の共生という考え方に基づき、『一人ひとりの県民の立場に立つ』という県政の原点をしっかり踏まえ、『いのち、人格、人権の尊重』、『環境型社会の形成』、『個性豊かな地域造りの推進』、『経済や産業の改革と再生』、特に、真のうつくしまふくしまの実現に一歩も二歩も踏み出したい」と佐藤現知事のこれまでの政策の実現を項目ごとに述べている。
 佐藤県政5期目が“長いか、短いか”を論じる前に、佐藤県政に変わる新しい風が吹かないことに、福島県の人材不足が上げられよう。県議会もオール与党では真の改革も霞んでしまう。過去には知事選を争った野党国会議員の強者もいたし、議会が紛糾し審議は夜中まで続いたと新聞紙上を賑わしたモノだ。会社でも社長や上層部がいつまでも関わっていると、新しい風は吹かないし、日々退化していく。「ウチの会社はこれでいいのだ」という甘えと「文句を言うと睨まれるから」という“事なかれ主義”の社員が増幅する。「オレだけ余計なことを言って睨まれたくない」とする社員の雰囲気こそが、会社をダメにしている。
 県政も同じことが言えよう。ちょっと昔なら課長や部長と言えば、権威や威厳があった。“部下の責任はオレが持つ”という兄貴肌が多く身近に感じる人が多かった。近頃はどうだろう。県職員は知事にモノを申しているのか。申してこそ県民の代弁者となり得るのだ。県民の声に味を付け、料理して、知事に差し出す県職員がいてこそ、福島県は大きく飛躍するのである。それを厳しくチェックする機能が県議の仕事だ。県民も福島県のレベルを知ろう。「47都道府県はどうなっているのか」と常に比較し県政に注目すべきである。決して福島県は上位とは言えない項目が並ぶはずだ。今回の選挙は地方分権が推進され、東京一極集中の是正と地域社会と高齢少子化社会の形成と対応にほかならない。個人的だが、まずは県内主要都市の駅前空洞化対策、雇用問題、観光地開発、農家跡継ぎ問題、医療費の軽減化、団塊の世代を含めた高齢化対策と少子化対策は不可欠な問題だと思っている。佐藤県政5期目は、県民の選挙に対する関心はもとより、「やり残し実現」に県職員と県議面々の意識改革と奮起こそが「焦点、視点」ではないのか。(04.8.23)

 

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