新庁舎構想には民意が反映されているか!

            主幹 富田正廣


 新年早々、奇抜で奇策なアイデアに、ともあれ拍手を贈りたいほど愕いたのが、福島市の『さくら野百貨店跡』の福島市新庁舎構想である。11日には新庁舎活用構想までブチ挙げてしまった福島商工会議所の佐藤勝三会長。年末年始にかけ改装イメージまで具体的にまとめ上げた情熱は、沈静化が続く「福島駅周辺再生」に賭ける意気込みそのものだ。発表した改装計画では、それほど目を奪うものはないが、屋上緑化は期待したい。屋上緑化には冷暖房の大幅な節約と建物の寿命を長くする効果が大きい。また、水害抑止効果や大気の浄化にも役立つ。だが、何と言って世界各地に災害をもたらす地球の温暖化に歯止めをかける手本となるものだ。現在進行中の新庁舎建設費は230億円とも言われ、その5分の1の約43億円で改修が済めば、これにこしたことはない。
 その一方で、奇抜で奇策なこのアイデアに「ノーコメント!」を言いたくなるのは市当局である。瀬戸市長も「現行の計画を進めるだけ」と取り合わないのにもうなずける。降って湧いたような「初夢」にいちいち取り合っていたのでは市の機能が麻痺するのは当たり前。これまでに「市民の声を少なからず、耳を傾けて取り組んできた」という自負の念は市長も市当局も同じだ。特に瀬戸市長は40回近い「福島わいわい夢会議」を開いて、市民の声を十分に聞いているという自信はあるだろう。「いまさら、何を血迷っているか!」と本音を言いたいところであろう。すでに土地所有者や住民の意見、さらに庁舎積立金と着々と進めているところに、別な新庁舎建設構想をブチ挙げられても「初夢」で終わって欲しいと望むのは当たり前かも知れない。
 だが、もともと新庁舎建設構想には難題を抱えていることは明らかだった。現在地に新庁舎を建設してもその周辺の経済効果は望めない。それなら思い切り福島駅の西側の広大な敷地に建設した方が、郡山市のような発展が見込めたはずという意見は、未だにくすぶっている。現在地が本当に民意を反映した建設候補地だったのかは疑わしい。「新庁舎が経済効果を発揮できる場所は市街地だ」とする声は多いが、商工会議所の独り善がりとも思えるこの発想は市民にとってもいかがなものなのか。
  佐藤会長は建設業界のリーダー格である(社)福島県建設業協会の会長も兼務しているが、建設業界にとっても「さくら野跡」構想を支持するのか、また、商工会議所の会員はどう思っているのか。ここまで市民を巻き込んでしまってからは、「あれは会長の初夢でした」では福島商工会議所は済まされない。市より民意が反映された構想なら「次の一手をどう打つつもりなのか」そこが知りたいところだ。(05.1.12)

■ 建設メディア参考記事
http://www.medianetplan.com/040825/006.html

 

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