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主幹 富田正廣

市民の“お抱え”“専属”こそ、生きる術!

 このところ、大寒を迎え、寒さが一段と厳しさを増してきた。雪と強風で福島も氷点下の日が続き、我が家の庭にある水道管も悲鳴を上げて、とうとう爆発してしまった。水は冬空に、まるで真夏の噴水のようだ飛び散った。慌てふためきながら水道屋さんに電話をした。5時間後、何とか復旧したが、冬空の下での “てんやわんやの大騒ぎ”は、知る人ぞ知るである。こんな騒ぎをしても、心から「助けられた」と思っている。何十年もお世話になってきた水道屋さんだったからある。言わば、“お抱え”“専属”とでも言うべき有り難い業者さんなのである。

   いま、こうしたお抱えの業者さんを持たない家庭は意外に多いというのだ。全国をローラー作戦で顧客を獲得、売り上げナンバーワンを目指そうとする広域業者に頼むケースがそれである。「水回りだけは『待ってくれ!』とは言えないから、ついついワラをも掴む思いで頼むほかないんですよ」といつも来てくれる方の話しである。気心も知れているだけに会話も弾み、一服の茶を飲みながらいろいろとアドバイスを頂く。業者も医者と同じで、前回はどこが悪かったかー、このあたりがおかしいのではーと、ある程度の予測が出来るとあって、頼む方も安心である。

 今、国や県の公共事業を手がける建設関連業者は、一昨年の前知事による談合汚職事件をきっかけに、発注者サイドの一方的な入札制度改革で進められてきた。一年足らずの間にコロコロと変わっていく制度にはずっと翻弄されてきた。その渦中で多くの業者が倒産に追いやられた。そればかりか、若者は建設業にソッポを向き、未来の人材確保さえ危うい業界だ。公共事業で海外旅行を楽しんだり、高級自動車を乗り回したり、ゴルフや飲食接待で優雅に社交界をカッポした時代など本当にあったのかである。

 こんな世相の中でさえ、この水道屋さんは翻弄されることなく不況を知らない。『お抱えの水道屋さん』としてお得意様は年々増える一方だ。その秘訣はたった一つ。“待たせない”ということだ。「電気は止まっても懐中電灯やロウソクで、何とかしのげるが、水だけはそうはいかない」は本当である。こうして見ると、業者の生きる道は、もっと身近な市民生活の中に眠っていることになる。業者はもっと市民と向かい合い、市民に支持され愛されることである。いつの時代も市民に愛されない商売が生き残った試しはない。業者の堅実な生き方は、より現実的な所に転がっているのだ。(08.1.26)



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