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主幹 富田正廣

福島県では『PFI』は根付かない?

 久しぶりに坂本節を聞いた。県庁時代の現役にも勝るとも劣らない語り口である。言葉のはしはしに坂本節は炸裂した。元役人とも思えない着想ができるのも坂本照次さん(写真)だからである。 坂本節が炸裂したのは24日、福島商工会議所建設部会が建設業界活性化のためにと開いた『地元版・PFI/PPPの現況と動向について』と題する講演である。





講演する坂本照次さん
  詳しいことは坂本さん手作りの資料に目を通していただければ、素人の輩が書く記事より、充分なる理解が得られるだろと思うが、この「PFI」を地元建設業界の活性化に繋げるには、何と言っても発注機関の首長が理解し、行政が動かない限り成功はあり得ない。

  また、冒頭のあいさつで、「土木業者の我々にはあまりメリットのない話しだが・・・」と切り出した小野憲一部会長だが、回り回っていけば土木業者も、設備業者も、清掃業者も、産業廃棄物業者も金が儲かる仕組みだと言うことを、もっと理解し真剣に取り組まなければなるまい。 

 既に10年近く前になるが、当時発行する業界誌に大手ゼネコンの「PFI」を特集したことがある。今でも印象に残っていることは、“地元主体のPFIを成功させるには、資金調達力と独自の創意工夫にかかっている。大手ゼネコンは、一定規模以下の事業は自然と見送るようになり、地元との棲み分けが進んでいくだろう」ということだった。その通り、現在では大手ゼネコンを中心に、全国で導入が盛んになった。坂本さんの資料にもあるように、東北では宮城県、山形県、岩手県がダントツに同方式を導入しているが、福島県は「福島市のあらかわクリーンセンター焼却炉建て替え」と「いわき市の文化交流施設」の2件に過ぎない。。

  山形県内では、既に4年前から県営住宅の建て替えが地元企業JVで導入され、県内箇所で事業が進んでいる。 なぜ、福島県では導入が進まないのか。「地元企業活性化をしっかりとした認識した首長と行政マンの意識改革、そして金融機関のやる気に外ならない」と坂本さんは激白する。そこにもうひとつ、事業母体となる企業の財務体質の健全性が挙げられると思うが、地元企業にも経営の健全性が求められると言うことになるだろう。公共工事の削減で、地元主力企業の体力はどんどん低下し、いつしか淘汰される現実にあって、「PFI事業に活路を見出せ!」と言っても現実的には、“雲の上の話”としかうつらないかも知れない。県内は両事業とも大手業者が主体で、ピンと来る地元業者も少ないのか。

 だが、「福島市の信夫山を有料道路にして観光開発に力を入れれば、土木業者も仕事になる。地震災害に備えて学校の校庭に非常トイレを200個造って、それを地元企業が造って管理すれば、管理業務でも仕事になる。何だってPFIで仕事は創出来る。自治体の首長サンさえやる気があればできる。地元建設業者の活性化のためにも福島商工会議所会員が年間に納める税金を考えれば、福島市にPFI創出のための働きかけは出来るはずだ。地元版のPFI導入も夢ではない」と坂本節も軌道に乗る。

 現在、県のPFI推進協会は休眠状態である。坂本さんは特定非営利法人環境型社会推進センター副理事長として講師を務めたが、川俣町の給食センターのPFI方式導入が頓挫したのも、新町長の身代わりの早さからである。足下だけしか見えない首長や地元金融機関のふがいなさが、本県には根付かない雲の上の話の“理由”と思う。全国で最も早くPFI方式を導入した福島県でありながら後進県に甘んじている。何をやっても全国30位以下の低レベル県では所詮、無理難題を要求されているようなものか。もっと首長も業者も仕事を持ってくる発想と提案を勉強しなければなるまい。

  ところで、福島市の新庁舎建設事業で、福島商工会議所は「仕事は地元に発注して欲しい」という陳情を行ったが、これこそ「PFI方式でやるべきだ」という陳情もすべきである。ただのお願いだけでは仕事は回ってこない。仕事は自分で創り出すものではないのか。(08.4.25)
どこへ行く、福島県のPFI事業!
http://www.medianetplan.com/forum/060422.html
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