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指名競争入札の復活は、談合復活への道か?
県と業者はもっと胸襟を開け
主幹 富田正廣


 「初の指名競争入札・県 試行として今年度復活」こんな見出しが5月29日の福島民報に載った。業者が並んで札を入れる光景は滑稽というか、違和感がある。一昨年までこんな光景は当たり前に行われていたのを、前知事逮捕以来、急速に“談合が疑われる”という理由で一部の金額を除き全面禁止としたばかりだ。当たり前だったことをあらためてマスコミが取りあげて報道すると、一体この業界はどこかおかしいと感じてならない。県は有識者を集めて、「アーだ、コーだ、」と論議して出させた答えが一般競争入札への道だったはずだが、いとも簡単に、指名競争入札を復活させた。

業者が並んで札を入れる光景は滑稽というか、違和感がある。

  指名競争入札の結果は、一般競争入札と違って予定価格に最も近い業者が落札するのは当然だが、問題はその落札率にある。関係者なら誰が見ても95,2%という高い数字は何を意味しているかはお分かりのはずだ。県の19年度の一般競争入札の平均落札率は82.33%、指名競争入札は87.71%である。予定価格250万円以下の91.66%と比べても約4%も高い今回の入札結果だ。今回の落札率が指名競争入札の平均的な数字の提示だとすると、県の指名競争入札は限りなく談合復活への道となることは必至だ。

 いつまでも発注者側と受注者側で「鬼ごっこ」をしている時ではない。ある業者がコメントしていたように「地元業者が仕事になる方法」を県は、本気で考えていく義務がある。“前知事逮捕”は業界の仕組みにあるとばかりに業界側だけをいじめてきたが、何のことはない。県が新たな仕組みをかえることで、これまでのまずさを業者に転化したに過ぎない。

 入札制度がコロコロ変わるということは、県側に改革するという主体性と責任感がないから有識者を引っ張り出すのだ。「有識者は有識者に過ぎない結論」を出したが、それもまずいとばかりに出した答えが、指名競争入札の復活だ。そんな県と業者のゴタゴタに愛想をつかした委員二人がサッサと辞任する失態まで起きた。なのにーである。一向に英断を下さない佐藤雄平知事は今回も「推移をみる」と逃げ切った。

 県と業者はもっと胸襟を開き、言いたいことを言い合える場をつくることしかない。まず、業者は市民に理解され、市民に愛されなければならないのは当然だが、発注者側も業者に信頼され、信用されなければならない。業者は「地元が仕事になる方法」を自ら提案し、県民の同意を得るくらいの意気込みが欲しい。指名競争入札が談合復活の道へ繋がるのではなく、「地元業者が仕事になる方法」に繋がることを望みたい。(08.5.29)



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