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地元の工務店に、何か得策はないのか?
気候を読む・・自然利用・・ 家倹の義務づけ・・
主幹 富田正廣


 

 今年4月に国土交通省が「超長期住宅先導的モデル事業」の提案募集を開始したことから、県内でもこうした超長期住宅(200年住宅)に取り組む気運が高まってきた。安い住宅が悪いというのではないが、どうしても安い住宅は短命であることに変わりはない。こうした住宅の寿命が20年前後のいわゆる「消費住宅」は、大量なゴミを生産しているに過ぎない。(写真は、本文とは関係ありません)



 こうした消費住宅の生産に歯止めをかける国の事業にいち早く、食いついたのが大手ハウスメーカーである。その仕掛け人もハウスメーカーだというが、地元工務店の反応はどうなのか。そうした情報の入手には、温度差があまりにもありすぎる。「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」というストック社会のあり方について、具体的内容を示すという趣旨は、大手よりむしろ、地元工務店が寄与すべき事柄のように感じる。

 大手ハウスメーカーは、有名人や著名人を使って大々的なコマーシャルで売りまくっている。その背景ではクレームが急増している。「そろそろCMを降りないとケガするぞ!」とまで囁かれるあの有名人も、本来はその住宅については何も知らないのが現実だ。ただギャラが高いというだけでコマーシャル出演して売り上げに協力している。ハウスメーカーのトラブルや倒産なで消費者が損害を被った場合には、コマーシャルに出演した本人にも責任の一端を科す必要がある。

 「大々的なコマーシャルもできない地元の工務店に、何か得策はないのか」と言えばいくらでもある。例えば、造りっぱなしではなく定期的に訪問することや定期的な点検を促すなどである。車には車検や定期点検などが義務化されているのに、家には「家倹」という制度がない。まして定期点検をする工務店は皆無に近い。家こそ何十年も住み続けるのであるから「家倹の義務」付けくらいは必要である。何でもかんでも国がやらなければやらないという姿勢では、地元工務店としての意味がない。

地元工務店だからこそできる仕組みづくりを!

先日も住宅に詳しいある人物と話した。もっとも大切なことは「気候の変化を読むこと」だと言う。台風や災害にも耐える住宅を造ること。そして、風の利用、自然熱の利用、井戸や太陽といった自然の利用を考えること。これこそが地元で信頼される工務店として生きていけるのである。この家は安全であるという「証明書」、何年後には何処が悪くなるということを明記した「点検・交換整備書」なるものを発行してこそ、地元としての価値が上がるのである。

 ン千万のコマーシャルや出演料など払わなくても、地元工務店として生き抜ける手法はいくらでもある。まずは自分が造った家のお得意様を逃がさないことである。新規に走る大手ハウスメーカーより、リピーターを増やす手法を思案すべきである。こうした仕組みを徹底してこそ「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」という国の施策に近づける家づくりが実現するはずである。完成するとスタコラサッサと逃げるようにして次の仕事を探すのでは、大手にはいつまで経っても適わない。
■ 参考ホームページ
http://www.shinsukiya.jp/interview/index.html 



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