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県の“愚策”は山ほどあるのに!
主幹 富田正廣


 公共事業の大幅削減で地元建設業は、年がら年中青息吐息だ。そんなため息がまだつける会社を対象に、福島県は「意欲ある建設業チャレンジ支援事業」の名の下に、建設業以外に新しい事業を始めた会社を「新分野進出企業」の称号を与え、補助金を与えて事業を支援しましょうと言うのだ。



 そして、「新分野進出企業」と認定された会社には、ご褒美として「入札参加資格審査での点数を加算する」ことと、微々たる補助金(補助対象経費の2分の1に相当する額又は50万円のいずれか低い額以内)を出すという。
 結局の所、県側としては体力のある内に「早く建設業には見切りをつけて、別な事業に転換しろ」と言うことなのだ。建設業者も別に「意欲を持って新しい事業に転換した」という会社ばかりではなかろう。病むに病まれず転換を考えたというのが大方の現実だろう。“これからは「二足のわらじ」を履きながらー”と言うと格好は良いが、片足を建設業に踏み止まったまま、しながら続けていくというのが本音なのではないか。

 先日、地元の建設業界紙に「歴史的なまでの悪制を拙速に強行した県の責任は勿論であるが、マスコミもまた、善良な住民を塗炭の苦しみに突き落とし、地方崩壊に直結する世紀の愚策の実行を救世主気取りで世間一般に報道先導し、自ら引き起こした弊害の悲惨な実態は、報道どころか全く取材しようとしない。偏見報道に凝り固まり、結果的に亡国の先導役を果たしているマスコミの責任は極めて重い。猛省を促したい」という投稿記事が載っていた。

二足のわらじを履かせて、本当の支援になるのか!

 これも結局の所、県の入札制度改革をマスコミは、“県初のナニナニ”とか、“ナニナニ改革、ナニナニ導入”といった言葉に正義感を感じて報道するが、業者はこの入札制度改革でどれほど悲惨な目に遭っているかについては、全く触れずじまいのマスコミの無責任さを痛烈に批判した文面だと受け取れる。

 この入札制度改革は、県と有識者など一部の人間が「アーだ、コーだ」と制度をいじくり回しているだけで、何の改革にも繋がっていない。その間、業者は地獄へ堕ちていった。今度は飴玉を与える戦法だが、言ってしまえば「早く建設業から出て行って!」というのが、今度の「新分野進出企業認定制度」のようだ。

 二足のわらじを履かせて、本当の建設業者の支援になるというのだろうか。「入札制度改革」という大義名分の下でのムチに対し、「認定・補助金」というアメを使い分けて、何とか県民・業界のご機嫌を伺ったような政策は、見え見えのような気がする。投稿者が嘆くように「何故、業者はこんなに悲惨な目に遭っているのか」の本筋に触れることのないマスコミにも責任はある。

 扱った業界紙は投稿文の本筋を外したような見出しをつけていたが、扱っただけ立派である。だが、業界で何十年も喰っているのに、イザとなると県に擦り寄って尻尾を振るばかりで、まったく本筋に触れることのない腰抜けマスコミもある。「何も書けない、何も言えない、何もできない」、言い換えれば、毒にも薬にもならない“名ばかりマスコミ”もある。県の愚策は山ほどあるというのに。(08.7.1)



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