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会津若松生涯学習センター不調入札で見えるもの
敢えて抵抗した会津の武士たち
主幹 富田正廣


 発注側と受注側でこれほどまでに温度差があることに改めて驚く。何を基に、何を標準に物事を決めているのか。“机上の空論”とは正にこのようなことを言うのだ。予定価格を積算する段階から一般常識を逸脱する行為でありながら、平気で積算できるその神経に呆れる。“役人”とは名ばかりで、人の役に立つことなど何一つできていない。



 今回、問題となった会津若松生涯学習センターも、そうした役人達が寄ってたかって、弾き出したのがあの予定価格となったのだ。油は上がる。食品は上がる、建築資材は上がる。何もかも上がる異常な時代に、平然と役人達で積算する神経が呆れる。ガソリンはこの一ヶ月で1リットル10円から20円も上がっているのだ。単純に計算しても5月から比べると15%程度は値上がりしているのだ。
 何時時点の積算単価を基準としたのか分からないが、少なくても予定価格約16.9億円に対し、業者側が提示した入札価格は20億から23億円である。約3億から5億円の開きがあるのだ。業者側も予定価格は事前に公表されていることから「地元ではできない価格だ」と踏んでいたはずだが、敢えて予定価格を上回る本音の部分の数字を“札入れ”することで、“お役所仕事”に抗議したとしか思えない。

 役所が弾いた予定価格に15%を上乗せした金額を予定価格とするなら業者側も納得した数字かも知れないが、発注者側は「できるだけ安くあげたい」と考え、発注者側は「できるだけ高く受注したい」と思うのは当たり前だ。そうした溝を埋めるのが、日頃からの対話であり検討であるはずなのだが、「前知事逮捕」以来、ますます、発注者側と受注者側の心の距離は遠くなるばかりである。こんな事態が続く限り、褒められる公共物などできるわけがない。

 業者をあらゆる法の網で縛りつけ、そして単価でイジメつけて、業者が立ち上がれる道理はない。江戸時代の“安政の大獄”でもあるまいが、役人の手によって、業界から優秀な人材も企業もすっかり消えてしまいそうな暗黒な世の中である。もっと業者は怒ってイイ。「われわれも税を納める市民の1人だゾ!」と怒ってイイ。「もっと現場に出ろ!」と怒ってイイ。「何を基準に積算してるんだ!と怒ってイイ。「俺たちを殺す気か!」と本気で怒ってイイ。(08.7.10)



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