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談合が飛び交うのは発注者の自覚の無さだ!
主幹 富田正廣


 前原国土交通大臣は16日の会見で、入札契約制度の強化策として、企業の経営評価と下請企業対策の2点について改善方針を発表した。特に下請業者の見積もりを踏まえた入札契約方式を試行するといった方針を示し、4月以降に順次実施することを明言した。大手建設業者に良いように扱われてきた下請業者には、ペーパーカンパニーの排除とともにひとつの光明がさした思いだろう。こうした方針を国が示し、不平等な扱いを受ける弱者に対し手厚い方針を示し、救済を促すことは有り難い話しである。

 このような国の政策を横目に、地方の中小・零細建設業の間では、未だに「談合」騒ぎが町村を中心に頻繁に起きている点を見逃すわけにはいかない。先日も一般紙に天栄村や会津美里町で同様な談合が行われたのではないかとする記事が載った。天栄村では談合はなかったとして入札のやり直しをしない方針を打ち出し、一方の会津美里町は談合情報に基づき入札を延期する措置を18日に執った。発注者側である町と村の判断は2分したが、その真実は参加した業者間同士でなければ分からないことだ。

 ここに来て、建設業者は今夏辺りがこれまでにない窮地に追い込まれるのではないかと巷では囁かれ始めた。年々厳しくなる公共事業の削減や縮減で、業者の体力ピークはとっくに越えているはずである。町村で談合が頻繁に騒がれ出したのも仕事の奪い合いが元になっているのだ。前原大臣の入札改善策が功を奏するのは一部のレベルまであり、公共事業が頼りの地域業者には、町村発注工事は命の綱である。国の政策と違って、町村の発注方法は、“地元優先”を謳い文句にしている割りには、いい加減ものである。

 先日、「もう指名競争入札は当てにしない」という業者に会った。指名=談合という構造が未だに存在する所属団体に見切りを付けた。一般競争入札で、社独自の技術をもって正確な見積もりを出し、評価点が高いのであれば、落札できるというのである。指名競争という限られた枠の中で生き残りを賭けていたのでは、淘汰の道を歩まざるを得ない。「独自の技術と積算で一般競争入札に殴り込みを賭け、生き残りを賭けたい」と話してくれた。

 頼もしい話しであるが、町や村の業者にそれだけの能力と経営力が残っている業者はどのくらいあるだろう。発注者は納税者のひとりである業者に、少しでも仕事が回っていく方策を編みだす必要がある。国に習い、県に従う入札制度を手本にするのではなく、地元業者が、住民として、健全な納税者として自立できる独自の入札制度を構築することが先決である。「入札参加業者から事情を聴き方針を決める」なんていう曖昧な解決策を出している限り解決にはならない。お膝元で「談合情報」が飛び交うのは、発注者である首長の自覚の無さも災いのひとつになっているのだ。再考を促したい。(10.3.17)




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