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電動車いすの事故はどう防げるか
主幹 富田正廣


 猛暑続きの連日だが、二本松市で先月30日に電動車いすの男性(84)が交通事故でなくなったことがニュースになった。これまでも車の運転中に何度か電動車いすで主要道路を横切る高齢者に出会ったが、実にその車体の不安定さに唖然とするばかりだ。歩くよりも遅い速度に対し斜めの横断、横切ることへの意思表示の無さ、さらに運転操作のぎこちなさ、挙げれば切りがないが、事故が起きるのは時間の問題だと感じていた。


 最近はこの電動車いすが増えてきたことにも交通事故多発の引き金にもなっている。単独事故や電動車いす同士の事故は交通事故としては扱われないのだが、電動車いすの事故は日増しに増えているのは間違いないようだ。

 こうした事故が増えている原因には、本人の不注意だけではないのだ。最近は車道と歩道の区別がハッキリと区分けされた道路も増えたが、まだまだ、健常者さえ歩くことも難儀する歩道は多いばかりか、車スレスレに歩く道路も多いのだ。こうした道路の解消こそ急ぐべきだ。年末年始になると、至る所で道路の工事が始まるが、その際に歩道側もセットで改修すれば障害者にとっても有り難い話しだ。公共施設や集合施設などではバリアフリー化は進むが、県道や市道でのバリアフリー化は進んでいないのが現実だ。強者である車の為の道路整備は着々と進むが、弱者側の道路整備は無惨なモノである。掘り起こしては埋め、また掘っては埋めてガタガタな道路と歩道は一体誰の責任なのだ。ガス会社か! 電力会社か! 工事を請け負った上下水道屋か! 工事を発注した行政か! 

 まず、電動車いすの交通事故を防ぐには、安全な道路(歩道)の整備が急務である。そして首長や幹部は一度、電動車いすの模擬体験をしてみるべきだ。その体験によって道路整備や歩道整備の遅れを実感するはずだ。“机上の空論”ばかり語っている暇に、一刻も早く外に飛び出して体験をしてみるべきだ。現場に行けば顔が見え、声も聞ける。行政は弱者の対策をシッカリすることで“住みよい(本当の!)まちづくり”が可能となるのだ。さらに、電動車いすの事故が日増しに増えて行く背景に高齢者を面倒見る家族がいないことだ。奥さんが、長男の嫁さんが、孫が送り迎えをすることがなくなったことだ。家族の中でもお互いが疎遠になっていることも見逃すことが出来ない。「生きてても、何も良いことはねえ〜」そんな高齢者の声が聞こえそうな現代社会である。残念なことである。(10.9.2)




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