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部材や工法の突然の設計変更で、いま業界に異変!
主幹 富田正廣


 最近、公共建築物での材料変更が問題になっている。先月には県内の政治経済誌が学校建築で予定と違う材料を正式な手続を取らずに変更していたことで県南地区の学校建築をめぐって、建築業者と発注先の「疑惑」について特集を組んでいた。これまでにも日常茶飯事のように起きていた材料変更だが、何故か今回はトップ記事として掲載されていた。ある建材商社の社長に記事の真偽のほどを聞いたが「記事の内容はほぼ正しいと思う」と言う判断だった。必死になって材料を見積もった下請業者がいる反面、請負業者の「変更」の一言で「タナボタ式」に仕事が回ってくる別の下請業者がいて、糠喜びさせられた当初見積もった業者の怒りは頂点に達することは経験者なら察しがつくだろう。
 地域で、抜きん出で工事を獲ると、その“しっぺ返し”がこうした形で表れるのは、今も昔も変わらない。発注者も悪い材料に変更されたのでは黙ってもいられまいが、予算以上の材料に変更するというのであれば文句もあるまい。だが、請負業者の良いモノに変更する意図は何なのか、そこに問題がありそうだ。それに「設計変更手続き」と「変更の承諾」にはどれだけの差があるのかは、発注者と請負業者(設計業者も?)との「あ・うん」の呼吸で決まるのか、どうかである。

 設計変更の話題はもっとあった。同じ県南の町発注でのことだが、こちらも入札後の部材の設計変更である。こちらの方は当事者が自らのブログhttp://kankyo-material.sblo.jp/でその実態について、発注者とその設計を請け負った財団法人に対して公開質問状を送った。発注者と設計を担当した財団法人はこの公開質問状に対して、その回答を弁護士に依頼したと聞く。その結果、弁護士を通して「設計に当たっては工法指定を採用されたかのような記載があるが、町、財団法人とも工程指定は行っていない」との回答書が届いた。当社が関係者に取材をしたところ、町から設計を請け負ったこの財団法人は設計を福島市内の設計事務所に下請に出し、また、そこからさらに丸投げで下に出したと聞く。この下請けと孫請けの設計事務所でも、その工法について何度も担当者と打ち合わせを行っていると言う。 
 さらにこの学校を請け負った建設業者は元々、土木が主体だったことから、建築については福島市の業者にまるまる指導を受けていた経緯がある。また、同様なことが隣接する学校建築でも起こっているなど、こうした設計変更をめぐって、発注元の町は大わらわである。これまで「あ・うん」の呼吸でやって来た部材や工法の設計変更が意図も簡単に行われてきたことに、発注者も、請負業者も、そして設計者も、もう一度原点に戻って、襟を正さなければなるまい。(10.11.5)





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