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生かされない“ならぬ事はならぬ”の精神
主幹 富田正廣


  東日本大震災や原発事故等で県民は大きなショックを受けながらも、懸命に立ち上がろうとしている矢先、またしても県土木部職員と建設業者による贈収賄事件が発覚した。過去の教訓は生かされず、悪魔の触手に、将来ある青年が一生を棒に振る結果となった。建設業界は景気低迷に加え、この大震災以降も厳しい経営を余儀なくされ、“復旧”という二文字に期待を寄せている矢先の不祥事である。


 事件は2年半も前の工事受注に絡むものだが、建築技師は工事の予定価格を知る立場ではないにも係わらず、なぜ、建設業者は接触を図ってきたのか、そこに知り得る権限が集中する“ホット・スポット”があったと見られる。また、体制に対する県の「甘さ」が指摘されている。福島民友16日の新聞でも、「医大の施設係だけは事務局長でも分からない、県関係でも監視が行き届かない部分もあったと語り、以前からも悪いうわさを聞くこともあった」と書いている。
 
 平成18年の「前知事逮捕」以来、入札に関する制度や監視はさらに厳しくなったばかりか、警察、県民の目も政・官・業の癒着には敏感になった。ーが、仕事を獲りたい一瞬でこうした事件は後を絶たない。こうした事件は工事を請け負う建設業者ばかりではない。委託業務を請け負う業者にも言えることで、予定価格を聞き出す行為は、しっかりと積算をする一個の善良な企業を駆逐する行為である。まさに“悪貨は良貨を駆逐する”例え通り、未だに「護送船団方式」から脱却できない組織団体に見え隠れする。こうした行為に県や市の職員も荷担して、いつしか手を染めている現実が今回の事件である。

 発注者側も受注者側も、“卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ。ならぬ事はならぬ”という会津藩「什の誓い」を肝に銘じるべきだ。これから福島県を担っていくべき、優秀な若い人材を一人でも失うことは、福島県の復興をさらに遅らせるばかりが、福島県には優秀な人材が育たないことに繋がる。“私利私欲”も“我田引水”も、ソコソコにしておかないと、あなたが“逮捕”される夢は、今度は正夢となるはずです。(11.10.16)




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