まさに若者・よそ者・ばか者の時代!

1999.11


 21世紀の建設産業はどうなるのだろうという不安から、どのセミナーも末来を予測する経営者たちでいっぱいだ。大方の予想は公共事業の大幅な予算削減と建設業者の陶太政策に歯止めがかからないことだ。『建設崩壊』を書いて業界初のべストセラーになった著書の山崎祐司システムズ社長も大胆に「21世紀の建設市場は現在の約半分の45兆円まで落ち込む」と断言する。
 公共事業にあっても国や自治体の財政難を理由に民間主導へ動きだし、21世紀はまさに民間主導型の公共工事でいっばいになる。本県もPFI推進法成立とともに全国に先駆けて県PFI推進協会を設立したが、すでに大手商社や超大手ゼネコンは、これを機会に国や自治体に事業拡大の絶好のチャンスと捉え、持ち前のPFl事業構想をホームページに載せ、独自のプロジェクトチーム等をつくる熱の入れようだ。超大手はさらに超々大手にのし上がり巨大化する。まさに大きなものだけがさらに大きくなるシステムだと言われる所以でもある。

 本来、PFIは地方自治体の活性化に期侍され活用されなければならない。地元中小業者は、どんな小さなことにも積極的に提案し、ハード面だけでなくソフト面でも活かす方策を模索する必要がある。自主性と創意工夫で公共事業の眠っていた部分を揺さぶり起こすいう意味合いもあるが、発注側も受注側も大きな意識改革がなければ何事も始まらないということだ。もう一つ、建設業にとって深刻な問題は業者数の削減策た。建設省は57万とも言われる建設業者数を20万台までに減らす政策をすでに実践していることだ。公共事業も国の力だけではどうにもならない時代に、建設省は次から次へと新手の政策を産みだし業者に揺さぶりをかける。

 中でもISO9000sは、平成12年度以降の公共事業への導入に向け一歩前に進んだ。すでに大型パイロット工事では、入札の条件として適用範囲や適用方法で大きな成果が期待できると睨んだ。14000も適用時期の検討を進めている。また新・新経営審査事項も業界には混乱を招いている。工事高100億円の企業も20億円の企業も評点が同じであれば、工事施工能力も同格に評価できるかという点だ。また、超大手から地元中小まで同一の評価法でバランス的によいのがという点もある。そこには発注者側の技術力、施工能力を選定する項目がやはりなければ、ただ闇雲に評点アップに走る業者が増えることになりはしないか。  だれでも未来に会社を繋げたいと願うのは同じだ。だが、業者は何をもとに何を優先順位に事を進めたらいいのかが分からない。ISOもやりながら経審の評点アップも実現しなければならない。さらに2004年の建設CALS/ECに対応するシステムも構築しなければならない。こうしたことに金と時間ばかりが消えていく。「お願いだ。俺んとこの会社引き受けてくれよ」という悲鳴の声が巷に聞こえそうだ。だが、確実に2004年に向かって新建設生産システムは進んでいる。

 「それまで何をするのか」は、それぞれの会社の責任なのだが、建設技術研究所の佐橋(さばせ)義仁氏は、グレー部分のビジネス化と体質改善の混血化を挙げ、さらに21世紀は若者・よそ者・バカ者が動かす時代だと予測する。確かにこれまでの50年間の建設システムはもろくも崩壊した。まさにパソコンのできないものは遠くへ追いやられ、何を考えているか分からない者が社会に台頭する時代だ。何がビジネスとして成り立ち、純潔に建設業だけをやれば喰っていける時代でもなさそうだ。異業種、県外、国外からの参人も目立つ近頃だし、どこにでもだれにでもビジネスチャンスは巡ってきそうだ、おもしろくもあり恐ろしくもある21世紀に、カウントダウンはすでに始まっている。(1999.11)