ラジコンが飛ぶ農道空港


 5月26日(月)の朝、NHKテレビのローカルニュースを見ていたら、福島市大笹生の農道空港「ふくしまスカイパーク」で無線操縦飛行機、つまりラジコンの操縦競技会が行われた、というニュースにぶつかった。もともと飛行機好きの身とあって、吸い付けられるようにして画面を見ながら「こんな競技があることを知っていれば見に行くんだった」とホゾを噛んだ。かなり大きな模型や本式のジェットエンジンを積んで高速で飛び回る模型機もあった。スケール機(本物と同じ形に作った飛行機)が多く、興味深々だった。このスカイパークは以前に数回訪ねている。福島市内上空をセスナ機など小型飛行機が飛び回っている日は、ここから航空機マニアが集まって飛んでいたり、時には遊覧飛行をやったりしている。「福島市にも飛行場が出来た」という嬉しいような思いをしたものだった。

 でも、もともとはこんな使われ方をするために大枚の税金を投じて建設した訳ではない。吉田市長時代の1998年に福島市が市内の農産物をより高く売るために、消費地に空輸で出荷しようという目的で約30億円をかけて開港させたレッキとした市政の一環である。ところが利用しはじめたものの、経費倒れのケースが出始め次第に先細りとなり、2003年度に予定されている農産物輸送計画はたった6件だけという寂しさ。農家が敬遠しはじめている証拠である。あんなに鳴り物入りで建設をすすめ、その効用を謳った当の吉田市長は既に引退し、活用されず閑古鳥が鳴く空港が残されるという構図が、ここにも描き出されている。つまり典型的な「ハコモノ行政」がここにあるのだ。

 高度経済成長時代から国・県・市町村とも、盛んに建物や施設作りに精を出した。実際に社会資本の整備が必要だったのである。そして一通り行き渡ったのだが、その後も‘なんとかの一つ覚え’で建物や施設作りで点数稼ぎをする首長がかなりいた。そこから「ハコモノ行政」の言葉が生まれた。決して褒め言葉ではない。福島市内でも農道空港のほか、13号国道地下の駐車場作りなどに「ハコモノ行政」という批判がかなり出された。

 それなりに活用され市民が大喜びしたり、収益が上がって市財政を潤すというのなら、それはそれでいいのだが、空港の活用策に頭を痛め「1回の使用料3万円でもいいから」とラジコン無線協議会に貸し出されるようでは、行政の見通しの甘さを指摘されても仕方あるまい。“一将功成りて万骨枯る"だネ。
                    (2003・5・26)