タイガースとオリックスの差


 また、プロ野球を傍目八目で眺めてみたい。8月も終わりに近づいて、阪神タイガースの18年ぶりの優勝決定が目前となった。が、ここで取り上げたいのは同じ関西チームでもパ・リーグのオリックスのことである。言わずと知れた7月27日と8月1日に2回もラグビー並の点差でダイエーに負けた話だ。1年140試合、7カ月間もほとんど毎日試合をしているんだから、たまには惨敗もあろう。でも1週間の中で26対7(被安打32本)と相手に新記録を贈呈したのに続いて、5日後にまたまた29対1でパ・リーグ最多得点記録を献上しての大惨敗を喫した。ベンチでレオン監督の泣きだしそうな顔が印象に残った。「監督も選手も不甲斐ない」と言ってしまえば簡単だが、ここにはいろんな問題を含んでいる。弱いオリックスといえども数多いファンを持っているはずだ。そのファン、さらには高い入場料を払って見に来た観客に何と言い訳するのか。「思いがけず新記録の試合を見られた」という向きもあろうが、大半の客は「打撃練習を見に来たんじゃない」とドッ白けだったろう。

 もう一つは、オリックスという企業が持っているチームである以上、企業イメージ向上を目指して経営に役立てる目的があるハズだ。そのイメージがこんな体たらくの試合でかなり損なわれたハズだ。もっと言えば、もともと人気の低いパ・リーグ全体に水を差し、他チームに迷惑をかけた、という点だ。つまり、オリックスというオーナー会社は今春、チームの補強に金を出し渋り、満足な選手を獲得しなかった報いがこの夏に吹き出した。リーグの一員である以上、他チームに見合う戦力を整えて臨むのが義務というものではないのか。これを怠った。石毛監督をシーズン途中で解任したくらいでは追いつかぬ。

 その点で好対照なのが破竹の勢い阪神タイガースである。オーナーの久万俊二郎阪神電鉄会長はオーナー暦19年。「東のナベツネ」に対し「西のクマ」と称され「巨人みたいにカネよう出せん」が口癖で‘どけち’と悪口され続けてきた。でも、どんなに負けても甲子園観客動員数は常に黒字。「勝ってナンボ」の球界で、目立った補強をせず18年前に優勝したっきり。最下位は10回を数えた。それが野村監督を招いてから補強に力を入れはじめ、星野監督に繋げた。そして電鉄運賃収入の下落で経営の見直しに迫られた今年はグループ優良企業阪神球団の大補強に転じた。金本や伊良部などの手堅い補強をやって今の快進撃を生み出したのだ。オリックスのオーナーさんよ、この阪神を見習って捲土重来を期してもらいたいのだ、日本プロ野球全体の発展のために。(2003・8・15)