川柳で見る年末の話題


 総選挙も終わって世の中はせわしい年末にひた走り、といった風情だが、それにしては次から次へと凶悪事件や不正行為が出て話題にコト欠かない。そこで、今回は毎日新聞の万柳川柳からいくつか拾って世相を寸断してみたい。
 政治向きの話題では、なんと言っても自衛隊イラク派遣の是非をめぐる論議だろう。特別国会でも衆院予算委で小泉首相と菅民主党党首が激しくやりあったが、菅「何回同じ答弁を繰り返すのか。今年中の派遣は無理だ、とはっきり言えばいい」小泉「何回も同じ質問だから、同じ答弁なのは当たり前。自衛隊が活躍出来る分野があれば派遣したい」という所まで落ちても、両者は譲らない。一方ではアルカイダから「自衛隊を出せば東京でもテロが起きるゾ」という脅しが飛び込んできた。これで派遣して隊員の何人かが犠牲になり、東京で大惨事が起きたら・・・とわれわれ庶民はおののく。そして「小泉も息子とともにイラク行け」と投稿する。マチでお茶を飲みながらおしゃべりする主婦たちに多い意見がこれだ。首相就任と同時にデビューしたタレントの息子もこのところ鳴かず飛ばず、だ。その息子を小泉さんはイラクに派遣出来るか、という短絡なリクツが罷り通る。先にブッシュ米大統領が来日してイラク戦後処理の費用分担で小泉さんがOKした。自衛隊が行けば、さらに費用が嵩む。そこで一句「国民の財布もイラクヘ派遣され」。

 例の日本道路公団の民営化に伴なってクビを切られ、法廷でのケンカも辞さないという藤井治芳前総裁の切れの悪さを取り上げたのが「藤井さん道が違っていませんか」の句だ。郵政と並んで小泉構造改革の太い柱の道路改革だが、総選挙が終わって近藤剛新総裁も決まったものの、改革実現の方向は微妙に変わりはじめ民営化推進委員会では国交省ぺ一スの法案作りにいらだっている。他方では“クセ者藤井”の今後の出方が一波瀾を呼びそうだ。そんな中で近藤新総裁は特別国会で野党から「民間人じゃなく、明らかに自民党の政治家だ」ときめつけられホロ苦い国会デビューだったらしい。確かに選挙前までは経済界から推されて参議院議員となっていた人だけに、いかに企業経営に優れていると言っても、菅代表の指摘は一理ある。
 「頼ってた医者から今じや身を守り」「氷山の一角だって?医療ミス」は続出する大学病院でのあきれた医療に対する庶民の防衛策だ。年々医療レベルが上って、長生きしたから恩恵にあずかれた、と言う日は果してあるのか。(2003・11・27)