やはり留学は抜け道だった


 「やっぱり!」と思わず口から出た。読売新聞が3月14日(日)朝刊の一面で報じたニュースのことだ。この「斜め読み一」欄で昨年秋に「外人犯罪を防ぐ奇策」(10月23日付け)という一文を書いた。もう記憶に無い方が多かろうから、そのサワリを再録すると「外国人の犯罪検挙数がこの10年間で2.6倍に増えている。特に最近の犯罪での粗暴というか、手当たり次第というか、銀行のATMをショベルカーでぶっ壊して金庫ごと盗む、なんていうやり方は日本人の発想にはこれまで無かった。だから、ほとんどが外国人、特に中国人ではないか。(中略)そうなると、極めて気掛かりなのは毎年のように開校する短大・各種専門学校の学生募集のあり方だ。学生が集まらないから外国人を集める。密入国しか手段の無い中国人にしてみれば、厳しい入国管理をすり抜けるには“日本語を習う”という留学はもってこいの手段だったろう。酒田短大の例にみるように、雨後の竹の子の日本語学校にもっと厳しい目を向けるべきではないのか」という文章だった。

 読売新聞の記事は「日本語学校経営者が8000人を不法入国、中国から手引き」という見出しで、実態の無いペーパーカンパニ一10数社を就学先、就労先としたウソの証明書を次々に作成、年平均1000人、8年で約8000人を不法入国させていた、というのだ。もちろん会社役員は総額数億円の手数料を稼いでいた、という。「やっぱり」だった。今の入管難民法によると、外国人が日本に在留するためのいろんな資格が決められているが、平成2年の改正で、留学生の受け入れ数を増やすため、大学や短大に入学する「留学」とは別に、日本語学校などに通う「就学」という資格が新設された。ところが、これが入国管理での盲点、と言うより抜け道になって、実態の無い日本語学校からの入学許可証でも堂々と日本に入り込めることになってしまったのである。読売の記事によると、こうした学生のうち中国人の多くは学生を装って入国し飲食店員や清掃員のアルバイトで稼いだ金を本国に送金するのが目的だった、と書いている。当然、一攫千金を夢見て凶悪犯罪に走る人間も出てこよう。
 日本は変わった。年功序列の制度を意識的に崩して、成果主義オンリ一になり技術立国日本を支えた職人やエキスパートが姿を消してゆく。それとともに公序良俗も無くなってゆく。「海外留学」という言葉も、かつてのアカデミックな響きはいまや闇の色に黒ずんでいる。(2004・3・17)