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強運の宰相で終われるか小泉さん

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 9月で任期切れの小泉政権に難問が次々に現れ、小泉政治の潮目が変わったかに見えた。米牛肉輪入再開でのつまずき、耐震強度の偽装、防衛施設庁の官製談合、ホリエモンの虚業、皇室典範の改正。どれ一つとっても政局を揺るがし、まかり間違えれば政権が吹っ飛ぶような難問ばかりなのだが、何時も小泉さんに追い風が吹いて、濃い霧がいつの間にか晴れてしまうのだ。
 その最たるものが皇室典範の改正だ。例によって独裁ぶりを貫いて「改正法案を今国会に提出、成立させる」と繰り返し発言、施政方針演説でも吠えた。しかし、日を追って反対論、慎重論が強くなり、自民党内はおろか、閣僚の中からも慎重論が続出、厳しい向かい風が吹きはじめた。このまま突っ走れば党内意見を纏めかね、法案提出どころか内閣総辞職にも繋がりかねない危機だった。自分の口から「取り下げる」とも言えないが、纏まりそうもない党内、閣内…。窮地に落ち込みそうになった2月7日、なんと秋篠宮妃紀子様のご懐妊のニュースが飛び込んだ。途端に祝福ムードの中で法案提出は見送られ、一件落着。なんという素晴らしい助け船だろうか。

 そして堀江貴文事件。これも武部幹事長、竹中総務相ともども9・11総選挙での担ぎ出しを巡って責任論が渦巻いた。そこに持ち出されたのがホリエモンのものとされるメールの一件だ。衆院予算委員会で民主党の永田寿康議員が「武部幹事長の次男に堀江が3000万円の送金を指示したメールがある」と質間に立った。ところが、日を追ってこのメールの信憑性が疑われる情報が相次ぎ形勢は逆転、自民覚が勝ち誇る形になった。こんな”ガセネタ”を簡単に国家最高審議機関の衆院予算委員会に持ち出す民主党の底の浅さが露呈。ホリエモン担ぎ出しの責任問題を民主党が自分で消し去ってしまった。
 実は小泉さんの強運ぶりは首相就任の時からついているのだ。初内閣で田中真紀子議員を外相に起用し人気を博したが、田中の言動が“お荷物"になって一転、更迭した。これで内閣支持率ががた落ちし短命内閣か、と思われた時に“援軍”が現れた。それは田中の秘書給与流用疑惑の発覚で、田中が議員を辞職し小泉内閣は息を吹き返した。その後、当時最大派閥だった橋本派に日歯連事件が起きて息の根が止められのも小泉首相にとって強い追い風になった。政権の危機に何処からともなく援軍が現れる「強運の宰相」小泉さんは、果して9月に後経者を指名出来るまで、強運を保てるか。(2006・2・28)


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